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第1四半期決算はWin XPサポート終了がプラス効果

キヤノン、一眼デジカメが過去最高の出荷台数に

2014年04月23日 20時30分更新

文● 大河原克行

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ITソリューションの売上高は前年同期比29.1%増

 ITソリューションの売上高は前年同期比29.1%増の438億700万円、営業利益は11億円増の12億円となった。同社では、「ハードウェアが大きく上振れしており、見通しに比べて数10億円の上振れになっている」としている。

 なかでも、プロダクト事業は、Windows XPのサポート終了に伴う需要や消費税増税前の駆け込み需要もあり、ビジネスPCが大幅に増加したのに加えて、セキュリティソフト「ESET」(イーセット)の販売や、エンジニアリングプロダクトなどのプロダクトソリューションが好調に推移し、売上高は前年同期比49%増と前年同期実績を大幅に上回った。だが、「第2四半期以降は反動を見込んでいる。年間ではプロダクトの売上高で前年比14%減を見込んでいる」(キヤノンMJ・浅田和則副社長執行役員)としている。

総合セキュリティソフト/ウイルス・スパイウェア対策ソフト「ESET セキュリティ ソフトウェア」シリーズ

 また、ITソリューションのうち、SIサービス事業は売上高が前年同期比20%増。金融機関向けの個別システム開発案件が増加。大病院向けの病院情報システム構築案件などが増加した。ITインフラ・サービス事業は売上高が前年同期比21%増。サーバーなどのハードウェア販売に加え、ネットワークの導入を含めたシステム構築案件が増加したほか、大学などの文教向け大型案件の獲得、データセンター案件の増加などが貢献した。エンベデッド事業の売上高は前年同期比3%減。自動車などの外販向け案件が堅調に推移したが、製造業の主要顧客向け案件が減少したという。

 なお、今回から開示をはじめたキヤノンMJグループ全体のITソリューションの売上高は前年同期比21.9%増の524億円となった。

 ビジネスソリューションの売上高は前年同期比12.1%増の922億1500万円、営業利益は30億円増の45億円となった。「景気回復の要素もプラスに働いている。4月も想定通りの動きとなっている」(キヤノンMJ・ビジネスソリューションカンパニープレジデントの坂田正弘取締役専務執行役員)という。

 MFP(複合機)は、「imageRUNNER ADVANCE」シリーズにおいて中高速モノクロ機の新製品「4200」シリーズを投入することでラインアップを拡充。大手企業から中小企業に至るまでの新規顧客の開拓などで成果をあげた。また、商業印刷市場向けのプロダクションMFPにおいても「imagePRESS」シリーズや、オセ製の高速カット紙やワイドフォーマットの業務用プリンターの販売促進に注力した成果により、「MFP全体の出荷台数は業界水準を上回る伸びを達成。3月は記録的な出荷台数になった。3月はもっと混乱すると思ったが、トラックの手配などの物流は想定以上にうまくいった」と述べた。

「imageRUNNER ADVANCE 4200」シリーズ新製品

 レーザープリンターは、Windows XPのサポート終了に伴う入れ替え需要や、消費税増税前の駆け込み需要に加え、帳票出力などの特定業務用途の案件拡大により、本体およびトナーカートリッジとも売上高は前年同期を上回った。大判インクジェットプリンターは、CADやポスター市場向けを中心に順調に出荷台数を伸ばすとともに、インクカートリッジも順調に推移した。また、MFPの保守サービスは、保守料金の単価下落が続いたが、企業活動の活発化と市場稼働台数の増加によりプリント需要が順調に推移した結果、売上は前年同期を若干上回ったという。

 同セグメントに分類されるグループ会社のキヤノンシステムアンドサポートは、オフィスMFPやレーザープリンターの出荷台数が伸張。ITソリューションについても通常のビジネスに加え、消費税増税に対応した基幹業務のソリューション、Windows XPのサポート終了を契機としたビジネスPC本体の販売や、それに伴うソリューションが好調に推移。売上高は15.9%増の339億7000万円、営業利益2億9000万円増の14億1000万円となった。

 産業・医療セグメントでは、売上高が前年同期比40.7%増の93億1200万円、営業利益は5億円増の1億円と、前年同期の4億円の赤字から黒字転換した。

 産業機器分野は、検査計測機器の販売や半導体製造関連機器の保守サービス等が好調に推移したという。また、医療分野では、医療イメージング領域において、「CXDI-401G COMPACT」などのデジタルラジオグラフィー(X線デジタル撮影装置)の出荷台数は前年同期を大幅に上回ったほか、ヘルスケア分野で滅菌器や全自動分包機が好調に推移したという。

 なお、2014年度の通期業績見通しは前回公表値からの変更がなく、売上高は、前年比2.4%増の6732億円、営業利益は10.5%増の188億円、経常利益は9.3%増の199億円、当期純利益は18.0%増の120億円としている。

 「第2四半期以降は、Windows XPのサポート終了や消費税増税に関連する特需への反動が見込まれるが、MFPを中心に主要製品を積極的に拡販する。通期見通しについては、第2四半期終了後に改めて精査したい」(柴崎取締役専務執行役員)としている。


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