キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、2014年度第1四半期(1〜3月)の連結業績を発表。売上高は前年同期比21.6%増の1826億9700万円、営業利益は、前年同期比の4億0300万円から92億3100万円に、経常利益は5億3600万円から93億6900万円に、当期純利益は、3500万円の赤字から、57億700万円の黒字に転換。「売上高、利益ともに対前年比で大幅増となった。年間でも増収増益を見込む」(キヤノンマーケティングジャパン・柴崎洋取締役専務執行役員)とした。
Windows XPサポート終了に伴って、ビジネスPCをはじめとする各種IT機器の販売増加が目立ったほか、積極的な拡販策や各種ソリューション提案の成果、消費税増税前の駆け込み需要が発生。すべてのセグメントで増収増益を達成した。また、増収効果や収益性の高い製品や消耗品が好調に推移したことにより、大幅増益となった。
レンズ交換式デジタルカメラの
出荷台数は53%増
セグメント別では、イメージングシステムの売上高は前年同期比38.8%増の479億8500万円、営業利益は42億円増の32億円と、前年の10億円の赤字から黒字転換した。「ほぼ想定通りの推移」(柴崎取締役専務執行役員)と総括した。
そのうち、デジタルカメラは、出荷台数が前年同期比20%増と大幅な伸び。レンズ交換式デジタルカメラでは、消費税増税前の旺盛な需要を業界水準以上に取り込むことに成功した結果、本体、交換レンズのいずれもが、過去最高の出荷台数になったという。
なかでもレンズ交換式デジタルカメラの出荷台数は53%増と大幅な成長になった。
「ゴールドラッシュ・スプリング・キャンペーン」などの積極的な販促策を実施し、ミドルクラスで高いシェアを誇る「EOS 70D」やフルサイズセンサーを搭載した「EOS 5D Mark III」、「EOS 6D」が好調に推移。また、エントリークラスでは「EOS Kiss X7」や「EOS Kiss X7i」をはじめとする「EOS Kiss」シリーズが好調に推移したことで、「圧倒的シェアNo.1を継続した」(柴崎取締役専務執行役員)という。3月末時点での在庫も適正環境にあるとした。
コンパクトデジタルカメラの出荷台数は前年同期比2%増。プレミアムカテゴリーの「PowerShot S120」の拡販や、3月発売の「PowerShot G1 X MarkII」が高単価ながら高い商品力と新製品発売キャンペーンにより好調に推移。スマートフォンとの差別化製品と位置づける高倍率ズームカテゴリーでは、「PowerShot SX」シリーズがラインアップ強化などにより、市場を大きく上回る伸びを達成した。さらに、低価格ゾーンでは、「IXY」シリーズを中心に安定的なシェアを獲得し、シェアNo.1を維持したという。
インクジェットプリンターは、出荷台数が前年同期比21%増。消費税増税前の駆け込み需要とWindows XPのサポート終了に伴うPC買い替えに連動した需要が高まり、主力の「PIXUS MG7130」がモデル別シェアNo.1を獲得するなど好調に推移。キャッシュバックキャンペーンの効果もあり、売上高は前年同期を大幅に上回った。インクカートリッジも前年実績を上回ったという。今後はホーム市場だけでなく、オフィス市場およびプロ市場への展開強化も図るとした。
業務用映像機器は、業務用ビデオカメラや、1月発売の業務用4Kディスプレーが好調に推移。CINEMA EOS SYSTEMの大判カメラの需要が安定的に推移した。
だが、第1四半期に53%増となったが、「第2四半期は反動があり、4割減と予測。4月もほぼ同様の動きになっている。通期ではレンズ交換式カメラで前年比8%減、実需では1%増と予測している。。また、インクジェットプリンターも通期では1%増に留まると見込んでいる」(キヤノンMJ・イメージングシステムカンパニープレジデントの八木耕一取締役常務執行役員)とした。