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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” 第41回

車とITのマリアージュ、スマートオペレーションの現状は?

2014年05月09日 09時00分更新

文● 前田知洋

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 車に乗り込み、イグニッションボタンを押すと、ルームミラーの近くにあるスタンバイの赤いLEDが数秒でグリーンに変わる。車がリンクに繋がったことを示している。ボタンを押して、目的地のレストランをいえば目的地までの道順や、席が空いていれば予約もとってくれる…。

 先日、Appleが車内でiPhoneをより快適で安全に使うための新機能「CarPlay」を発表したり、Googleは自動運転を公道実験してるのは、アスキーの読者ならご存知のことと思います。じつは、冒頭のシーンはLEXUSにすでに搭載されているG-Linkの話。

 日本の得意な産業分野に「また黒船来襲か!?」という感じなのでしょうが、今回は、ジャーナリスト的な視点ではなく、ユーザーの立場から「自動車とスマートオペレーションについて」考察していきます。

「最近の車は天気も予測できるの!?」と誤解

 1980年代にカリフォルニアに住んでいたとき、軽いカルチャーショックを受けたのが「自動シートベルト」。エンジンをかけるとベルトがウィーンと肩にかかるシカケになっていました。Appleもそうですが、あの頃からラクチンと便利、クールさに対して、いい意味でのどん欲さがアメリカにあることに気がついた瞬間でした。その究極が自動運転車なのかもしれません。

 筆者の自動車歴は、フォード→シトロエン→ポルシェ→ワーゲン→レクサス。ポリシーのないというか…。「走ることに重点」から「合理性」にシフトしたときの笑い話があります。

 ちょうどコックピットに速度だけでなく、運転情報表示がされた頃のこと。欧州車はアイコンで情報表示をすることが多いのですが、冬の夜に走行していると、突然パネルに「雪の結晶」マークが表示されました。(15年前の)最先端の車は、「これから雪が降るって、わかるのか!?」と焦りました。じつは、これは気温が2°Cに下がったので「路面凍結の可能性あり」の警告。それが、わかったのはマニュアルを読んでからなのですが…(笑)

自動車がオンラインであること

 話を現状に戻すと、すでに製品化、実用化され、筆者が利用している自動車のスマートオペレーションには下記のサービスがあります。

  1. オペレーターによるナビゲーション案内、データ転送
  2. ニュース、天気、交通情報など、人工音声による読み上げ
  3. 事故や病気時のオペレーターによる緊急通報
  4. ドアやトランク、ウィンドウなどの閉め忘れの自動メール通知
  5. 駐車時の車内への侵入や盗難など通知。エンジン再稼動のロックなど。
    (ともにG-Link)

ニュースを聞きたいときに聞けるのがありがたい。人間に比べるとまだまだだけど、人工音声も聞き取りやすくなってきた

 まるで、パーソナルアシスタントがいる感じでしょうか。1~3までがユーザーが欲しい情報に関わる機能部分、4と5は自動車の基幹システムに関わる機能になっています。筆者は経験したことはありませんが、「盗難にあったので、車がどこにあるのかを教えて下さい(もしくは、警察に通報してください)」なんてリクエストも可能です。

スマートオペレーションは、安全、緊急通報などが鍵

 もっと知りたい、そのあたり。いつもお世話になっている、LEXUS港南台の鎌田宗貴さんに伺ってみました。実際のケースとしては「運転中に意識不明→単独事故→エアバッグの動作→オペレーターの呼びかけ→警察と消防への緊急通報→救命」もあるそう。G-Linkでは「ナビゲーションなどのユーザーからのリクエストだけでなく、事故や病気、盗難など、ユーザーが自発的に連絡できないケースに対応できることがメリット」と教えてもらいました。

 ただ、LEXUSは、お客さまは年齢が高めだそうなので「難しいIT機能よりも安全性などに関心があるのかもしれません。しかし、試乗などで実際に経験してもらうことで、最先端の技術を知っていただけるきっかけになれば…」と鎌田さん。

 ユーザーとして付け加えるなら、車内に「緊急通報ボタン」があることもスマートオペレーション利用のモチベーションになったことも確かです。襲われるような、危ない場所ばかりを走ってるわけではありませんが…(笑)。

小さい救急車マークの緊急ボタン(撮影のためプラスチックカバーが外してあります)

(次ページ、「人間のマルチタスクの限界」に続く)

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