いい業績を上げているが、グレイトではない
杉原氏は、多くの企業での勤務経験をもとに、「オラクルは、ラリー・エリソンをはじめとして、米本社の経営チームが、日本の市場を認めているということを強く感じた。日本の顧客に対して真摯に向かい合い、日本の顧客や日本の社会が抱える問題に対して、ワンチームとなって貢献するという姿勢がある。これは、他社と大きく異なる点」と語った。
就任後初めて会見を行った杉原社長は、日本オラクルの欠点について、「決して悪くないことが課題」と指摘した。
「日本オラクルは、良い業績をあげている。だが、その内容が『グレイト』というところまでは行っていない。業績が悪いのならば、そこから浮き彫りになる課題を直せばいい。しかし、業績がいいなかで、次の10年のためになにをすべきか、ということを理解し、それに取り組んでいくことは難しい。それが課題である」とする。
No.1 Cloud Company
聞き方によっては、業績の好不調に関わらず、構造改革にも取り組む姿勢を打ち出したとも取れそうだが、好調な時にも手綱を緩めないというのが杉原氏流の経営手法といえそうだ。
そして、目指す企業の姿を、「No.1 Cloud Company」という言葉で表現する。
「クラウドといっても、オラクルの印象はまだ薄い。だが、日本オラクルがクラウドの第一任者になることは短期的な目標に掲げたい。東京オリンピックまでには、『クラウドならばオラクル』と言われるようになりたい」と宣言する。
今回の会見では、具体的な数値目標や、詳細な事業戦略についての言及はなかった。
杉原社長は、「数字目標に関しては、今後、しかるべきタイミングで発表することになる。株主、顧客、本社といったステイクホルダーの要求は、今年よりも来年、来年よりも再来年と、成長し続けることである」と成長戦略を打ち出す姿勢をみせる。
果たして、杉原社長体制によって、どんな形で日本オラクルは成長するのか。その舵取りに注目が集まる。
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