このページの本文へ

DSD再生までも可能になった最強「ハイレゾウォークマン」活用術 第1回

開発陣を直撃! 最上級ウォークマンはこうして生まれた!!

2014年04月22日 12時00分更新

文● 海上 忍

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

アナログアンプになった可能性も……
デジタルアンプ「S-Master HX」を採用した2つの理由

 NW-ZX1の音質を支える技術のひとつに、デジタルアンプ「S-Master HX」が挙げられる。ソニーが持つ1bit D/Aコンバータのノウハウを集約したデバイスであり、従来のS-Masterをハイレゾ音源の標本化/量子化データ量に対応させた高分解能版と捉えることができる。

NW-ZX1の音質設計を担当した佐藤浩朗氏

NW-ZX1の音質設計を担当した佐藤浩朗氏

 しかし、すぐに採用が決まったわけではないという。音質設計担当の佐藤浩朗氏いわく「設計部門のエンジニアとして、正直悩んだ部分はあります。デジタルとアナログで音の傾向は変わりますから……アナログアンプの採用も検討しなかったわけではありません」。

 当初からS-Master HXありきで話が進んだのではなく、あくまで音質で決めたということだ。

 S-Master HXに決定されたもうひとつの理由が“電力”だ。「“ウォークマンのハイレゾ”はやはりS-Masterだよね、と考えが固まった理由の1つは、そのポータビリティの高さと電力消費の効率性です。ウォークマンですから、電池の持ちをよくしよう、ボディーを小さくしようという話は当然ありますよ。そこで、ハイレゾ対応の「S-Master HX」のデバイスを起こすことに着手したわけです」(佐藤浩朗氏)。

 確かに、NW-ZX1の連続再生時間は約32時間(MP3 128kbps再生時)と、ほかのハイレゾ対応ポータブルオーディオに比べ長い。これがハイレゾ音源となるともう少し短くなり、後述する「DSEE HX」を有効にするとさらに短くなる。

 しかし、アナログアンプではこのレベルに到達することは難しかったはず。ウォークマンがウォークマンらしくあるためにも、適切な判断だったのではないか。

カテゴリートップへ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中