フリーミアムモデルのWebアンケートシステムを開発販売する米国サーベイモンキー（SurveyMonkey 社、米国カリフォルニア州パロアルト、最高経営責任者デイブ・ゴールドバーグ）は2014年4月16日に記者発表を行い、新たなパートナーシップとモバイル用アンケートSDKベータ版の発表を行った。
サーベイモンキーはシリコンバレーのベンチャーだが、周りのベンチャーだけではなくFortune500にリストされる大企業においても利用が進んでいると国際経営企画担当のデイモン・クロンキー副社長は語る。今回の発表は大学生向けの無料コピーサービス「タダコピ」を展開する株式会社オーシャナイズ及び中小企業向けのIT支援を行うアイ・モバイル株式会社との提携とiOSでのアンケート作成と管理を可能にするモバイル版SurveyMonkeyアプリの発表それに加えて「モバイルフィードバックSDK」と呼ばれるiOSでアプリを開発しているデベロッパーにアンケート機能を提供するSDKのベータ版の発表と盛り沢山の内容だ。
今回発表されたサーベイモンキーのiOSアプリ：
https://itunes.apple.com/jp/app/surveymonkey/id723867634
それらの発表に加えて新たに2014年よりサーベイモンキーに参加した元ワシントン・ポストのリサーチ部門のトップ、ジョン・コーヘン氏（サーベイモンキーではアンケートリサーチ担当副社長）のお披露目も兼ねての来日だったようだ。
リサーチ部門のVP ジョン・コーヘン氏。
コーヘン氏は翌4月17日に六本木で開催されたCloudBriteというイベントにも登壇。日米での会社員の意識調査を発表し、サーベイモンキーのアンケート機能によって実現された約2600名を対象にした調査結果をプレゼンテーションした。
2011年3月に日本市場に登場したサーベイモンキーだが、ウェブサイトは日本語化され、ビジネスとしてはスタートしていたという。しかしながら日本法人自体は設立されておらず、あくまでもパートナーを通じてのビジネス展開というのが2014年4月段階の現状だ。2012年11月にはGMOリサーチと提携し、日本語でのアンケートビジネスを推進しているが、ビジネス上の指標となる売上高やシェアなどは非公開。日本での事例としてはANA、無印良品、ミクシィなどが挙げられているが、ネットリサーチで先行するマクロミルやECモールの会員数をバックにパネルを拡げる楽天リサーチなど、競合は多く米国の事例が多いことと単にWebからアンケートを作ることが出来るだけでは日本での浸透は厳しいだろう。
そんな中でモバイルでの利用時間が伸びているネイティブアプリに組み込んでアプリ内からアンケート機能を使え、自社開発する手間を省く「モバイルフィードバックSDK」はスマートフォンをプラットフォームとするアプリベンダーやモバイルのアプリを活用したいECサイト、電子書籍マーケットには注目の機能だろう。
SurveyMonkey、モバイルアプリと「モバイル・フィードバック SDK」を発表
https://jp.surveymonkey.com/mp/aboutus/press/surveymonkey-mobile-launch/
今回はFlurryというモバイルの利用分析サービスのライブラリと組み合わせた形のSDKとなっているが、クロンキー副社長によれば、「組み合わせるサービスはFlurryに限定されない」ので、他の分析サービスと入れ替えて活用することも可能であるという。アプリ内からユーザーの利用動向をリアルタイムで分析し、マネタイズに活かすサービスとして過去にゲーム専用のマネタイズのためのサービス5Rocksを紹介したが、今回のサーベイモンキーのSDKはユーザーが意識しない形で行動分析をするのとは対照的に明示的にユーザーに質問を投げて回答を得るフィードバックシステムをアプリケーションに組み込むソリューションとして活用が拡がる可能性がある。
5Rocks、スマホアプリの分析運用支援サービスを正式開始：
http://ascii.jp/elem/000/000/880/880805/
アプリの利用を如何に伸ばして行くか、アプリベンダーはサーベイモンキーの「モバイルフィードバックSDK」を試してみるのもひとつのヒントになるかもしれない。少なくとも自社でアンケートと分析のシステムを作るよりはクラウドベースのシステムを使うほうが効率的だ。
モバイルフィードバックSDKのベータ版はまだ出荷されていないが、完成し次第、連絡を貰えるようだ。参加申し込みは以下のURLから。
モバイルフィードバックSDKベータプログラム：
https://jp.surveymonkey.com/mp/iphone-app-sdk/
