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Moogのエフェクター登場! シンセメーカーだからできる面白い音がイイ!

2014年04月20日 12時00分更新

文● 四本淑三

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まさにシンセ、金属的な音のMF Ring

MF Ringのノブは3つ。エフェクト音にローパスフィルターをかける「TONE」、エフェクト音と原音の割合を調整する「MIX」、内蔵オシレーターの周波数を調整する「FREQ」。エクスプレッション端子は内蔵オシレーターの周波数に対応します。パネル上のノブで調整できる範囲は90Hz~1.5kHzで、ペダルをつなぐと最大12kHzになるのだそう。すごそう!

 次にモロにシンセっぽいのが「MF Ring」、すなわちリングモジュレーター。まず音を聴いてください。エフェクトオフとエフェクトオンで同じフレーズを弾き比べてみました。



 金属的な変調がかかって、元のフレーズの音程感がぶっ飛んでいることがわかります。リングモジュレーターの原理を大ざっぱに言うと、先のトレモロの超高速バージョンです。可聴帯域に入る周波数で音量を揺さぶると、その揺さぶる周期そのものが音になるわけで、それが元の音の周波数と合成されて、こんな金属的な音になるわけです。

 でも「こんな音じゃ使える場面が限られるんじゃない?」とお思いの貴方。そこでMF Ringは、いろいろと調整できるようになっています。次のサンプルでは、トーン、そしてミックスバランスを変えて、変調音を少し目立たないようにし、変調周波数を調整しています。

 リングモジュレーターの面白いところは、変調をかける周波数と原音の周波数がオクターブで一致すれば、出力される音に変調がかからないという点です。変調周波数のFREQツマミを回してゆくと、途中で弦のチューニングが合いそうなときのようなウネリが聞こえ、そのウネリが消えるポイントがありますが、そこです。

 つまりオクターブの中の1音だけ、エフェクトを掛けない音を作ることができる。その音をキーにしてフレージングを考えれば、利用範囲の幅も広がると思います。



いわゆるブースターの役割を果たすMF Boost

MF Boostのノブは3つ。「GAIN」でブースト量を決め、「LEVEL」で出力する音量を設定し、「TONE」はローパスフィルターの調整になります。そして「BOOST」スイッチが入っていない状態では、VCAとして動作し、スイッチをいれるとブーストがかかります。ブースト量は-65dBから+18dBまで調整でき、エクスプレッション端子はGAINに対応します

 「MF Boost」はいわゆるブースターで、ゲインを上げてギターの信号をアンプに入れることで、音を歪ませるものです。次のサンプルはまずエフェクトオフの音、そしてエフェクトオン、次に「BOOST」スイッチをオン、最後はその状態で適当に弾いています。



 MF Boostが普通のブースターと違うのは、エクスプレッションペダルが使えることです。これでゲインを無段階に調整できる。BOOSTスイッチを入れなければ、最大音量は原音とほとんど変わらないので、ガリの出ないボリュームペダルとして使えるわけです。

 さらにBOOSTスイッチを入れれば、ブーストもできるボリュームペダルになります。おまけにトーンの調整もできてしまう。今回は試せなかったのですが、このMF Boostはエクスプレッションベダルと一緒に使うべきだろうと思います。 

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