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利用料の割安サービス合戦でスマホ革命が始まる

2014年04月17日 05時08分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 4日に発売されたスマホが売れに売れている。その名は「イオンのスマートフォン」。国内流通大手のイオンがスマホ販売に参入したのだ。注目されるのはその安さ。スマホ本体代金と月々の通信料金をあわせて月額2980円(税抜)~で利用できる。これが、日常生活に身近な総合スーパー「イオン」など全国約170店舗で手に入れられるとあって、全国8000台限定の予定割り当て台数を完売する店舗が続出している。

「イオンのスマートフォン」のイメージ(「b-mobile」サイトより)

「イオンのスマートフォン」のイメージ(「b-mobile」サイトより)

 この安さを可能としたのはイオンと日本通信の協業による。日本通信のモバイル・インターネットサービス「b-mobile」を利用することで、通信サービス料を月額1560円(税抜)と通話料の20円/30秒(税抜)に抑えた。端末はLG製のアンドロイド(Android)スマホ「nexus 4」で、「b-mobile」のSIMカードを組み合わせる。通信速度の上限は200kbpsで、通話やメール、インターネットの閲覧は可能だが、ユーチューブ(YouTube)などのインターネット動画やHD動画の視聴には対応していない。低価格化を図るために機能等の絞り込みも行ったのだ。

 「b-mobile」は無線通信インフラを持つ他社からインフラを借りるMVNO(仮想移動体サービス事業者)サービスとなるが、こうしたMVNOによる割安スマホサービスが最近増えている。総務省が14日に発表したデータでは、2013年12月末時点のMVNOサービスの契約数は1375万にのぼり、前年12月比で36.1%増加した。

 MVNOサービスは通話を除くデータ通信分野で成長してきたため、通話を含めたスマホ向けサービスはまだ少ない。実際、前出の契約数1375万に占めるSIMカード型の割合はわずか10%で、SIMカード型にデータ通信利用が多く含まれていることを考慮すれば、MVNOサービス全体ではごく限られたものだ。しかし、MVNOサービス全体が市場拡大していることを踏まえれば、認知度の高まりとともにMVNOによる割安スマホサービスの成長は大いに見込める。

 認知度を高めるという点では、冒頭のイオンのように、日常生活で身近に入手できる環境が大きなプラスとなるはず。大手家電量販店でも割安スマホサービスへの参入が増えており、こうした新興勢力がNTTドコモ/au/ソフトバンクモバイルの3大勢力を脅かさないとも限らない。しかし、3大勢力も割安プランを新たにラインナップするなど、競争は激化しつつある。サービス事業者やプランが多彩に広がるのは、ユーザーにとっては選択肢が増えることになり、スマホライフの最適化につながるだろう。

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