キヤノングループのキヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)は4月17日、中小企業向けのDR(災害復旧)対策サービス「沖縄DRパック」を発売した。顧客企業内のファイルサーバーと、同社沖縄データセンター(DC)に設置されたNASとをVPN経由でレプリケーションするための製品/サービス一式が含まれる。
同サービスのラインアップは、顧客企業内にアイオーデータ製NASを設置する「NASパック」と、顧客が保有するファイルサーバー(Windows Server)を利用する「ファイルサーバーパック」の2種類。いずれもフォーティネットの「Fortigate」を使用し、顧客企業-沖縄DC間をインターネットVPNで接続する。バックアップではなくレプリケーションを実行するため、万が一大規模災害が発生した場合にも、その直前までのファイルデータが遠隔地で保護される。
NASパックでは、アイ・オー・データ機器製のNAS「HDLシリーズ」5モデルから顧客環境に適したものを選択し、同じモデルを沖縄DCにも設置する(さらに顧客側NASにバックアップ用の外付けHDDも設置)。ファイルサーバーパックの場合は、顧客保有のファイルサーバー容量に応じて沖縄DC側のNASを4モデルから選択できる。
NASおよびVPN装置のハードウェア障害、レプリケーション状態についてはキヤノンS&S側からリモート監視と保守を行う(Windows Serverの監視は含まない)。顧客側での障害発生時には、全国200カ所のキヤノンS&S地域拠点から、専門スタッフがオンサイトで障害切り分けと復旧を行う。
同サービスの月額費用(以下すべて税別)は、NASパックが4万7500円(最大8TB)、ファイルサーバーパックが月額5万8500円(最大12TB)。ここには固定IP回線使用料、データセンター利用料、保守運用料などが含まれる。初期費用として別途、NASやVPN装置の購入費用、初期設定や構築費用がかかる。
参考構成の価格として、NASパック/容量2TB構成で初期費用が141万2800円、月額費用が4万7500円。ファイルサーバーパック/容量3TB構成で初期費用が133万2000円、月額費用が5万8500円。
キヤノンS&Sでは、同サービスのターゲット顧客を中小企業、特に「製造業、デザイン会社などデータ資産の重要性が高く、データ容量の大きいユーザー」としている。2015年3月末までの販売目標は60セット、売上1億円。