このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

オールフラッシュアレイが活きる事例を見つけた!

大量Webアクセス上等!オールSSDのHP 3PARが受け止める

2014年04月30日 14時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

さらなる最適化に挑戦した3PAR 7450

 このように、ただですらフラッシュと相性のよいHP 3PARだが、オールフラッシュアレイの3PAR 7450では、さらにフラッシュに対する最適化を施している。

 たとえば、「Adaptive Read/Write」では、16KB以下の精細なキャッシュページサイズをサポートし、I/Oサイズに合わせたキャッシュの最適化が実現する。「ホストからのワークロードをSCSIレベルでチェックし、ブロックサイズを自動的に判断するI/Oマッチング技術です。OLTPであれば4KBから、DWHであれば128KBといった具合に分割し、読み書きを最適化できます」(岩野氏)。

 また、「Autonomic Cache Offload」では、使用率を基にキャッシュからメディアへの書き込みの頻度を自律的に変更する。節約派ストレージとしての特徴を活かしつつ、フラッシュアレイに対して徹底的な最適化を実施した。この結果、7400のSSDモデルと比べても、30%以上の性能向上を実現したという。

最適なブロックサイズを実現するAdaptive Read/Write

 しかもオールフラッシュアレイの3PAR 7450では、マルチテナント環境でサービスレベルを維持することができる。もともと、HP 3PARはホストからのデータを制御情報とペイロードに分割して処理している。制御情報をCPUで、ペイロードはASICで高速に処理するため、小さいブロックI/Oが大きいブロックI/Oに待たされるという自体が発生しない。さらに3PAR 7450では、この機能を利用し、テナントやアプリケーションごとにIOPSや帯域幅の上限と下限を保証することができる。「お客様はIOPSや帯域幅をパラメーターとして指定するだけで、ボリュームに対して、適切なI/Oを指定できます」(岩野氏)とのこと。

混在したワークロードをハイパフォーマンスに処理する仕組み

 気になる価格に関しても、3PAR 7450であれば、十分導入を検討できるという。もともと価格面での競争力が高いHP 3PARだが、オールフラッシュアレイの3PAR 7450でも「汎用のSSDを用いているので、価格変動にも追従できます。お手頃な価格で、必要な性能を得られるということです」(加藤氏)とのこと。すでに定価で1000万円くらいから提供しており、今後さらにドラスティックな価格変更もあるという。

大量のWebアクセスを3PAR 7450が受け止める

 昨年発表されたばかりの3PAR 7450だが、ワールドワイドではすでに100台の導入実績があるという。今まではOLTPやVDIの用途が多かったが、ここ数ヶ月で注目を集めているのが、大量・突発的なアクセスで悩まされるWebサービスでの用途だ。「今までのオールフラッシュアレイは、極端な性能を求める限定的なお客様でした。しかし、クラウドサービスの要件を満たす3PAR 7450の登場で、Webサービス事業者様が導入を検討するケースが多くなっています」(加藤氏)。

SSDに対して徹底的にチューニングされたHP 3PAR StoreServ 7450。高速なランダムI/O処理で大量のWebアクセスに負けない

 たとえば、コマースサイトでタイムセールをやったり、チケット販売で大量のアクセスが集中した場合、サイトのレスポンスが悪化し、最悪サイトがダウンすることがある。従来、こうしたアクセス対策としてはサーバー側にフラッシュを導入することが多かったが、キャッシュのキャパシティがあふれることが増えてきた。こうなると、結局、バックエンドのストレージにアクセスされ、サイトのボトルネックになってしまう。

 ここで価格が手ごろになった3PAR 7450を使い、応答速度を向上させるという事例が増えているのだという。加藤氏は、「高速な3PAR 7450がアクセスをすべて受け止め、ユーザー様に快適なサービスを提供できるようになりました」と語る。また、実運用でも3PARのメリットは大きい。「アクセスが増えたら、シンプロビジョニングで、すぐに仮想マシンを立てることができます。サーバーダウンでサービス事業者様の手を煩わせることもなくなりました」(加藤氏)。

 こう聞くと、他社のオールフラッシュアレイでも問題ないかと思いきや、意外とそうでもない。岩野氏は、「他社の場合、結局マルチテナント機能が欠けていたり、QoSでも上限しか設定できないので、結局クラウドサービスでは使えません。HP 3PARの場合、エンタープライズでも、クラウドサービスでも、適用範囲が広いんです」とアピールする。

 さらに、加藤氏は拡張性の観点からも3PAR 7450をイチオシする。「他社製品は筐体単位での増設が必要ですが、3PAR 7450ではSSD4本単位から増やせますので、スモールスタートができます。コントローラーも3PAR 7450であれば、最大4台増やすことができ、容量に関しても220TBまでサポートしています」とのことで、クラウドプロバイダーからはよく声をかけられているという。もちろん、クラスター内でもワイドストライピングが行なわれる。たった1つの小さなボリュームでさえ、数百のフラッシュとコントローラーノードに割り当てるため、最適なパフォーマンスが維持される。

データとI/Oは、CPU、ポート、キャッシュ、ドライブを含むすべてのシステムリソース間で幅広くストライプされる

 今回の取材では、容量効率を追求し、書き込むデータ自体を減らすために作られたHP 3PARのアーキテクチャの先進性と、フラッシュの相性のよさを再認識できた。このHP 3PARにさらなるチューニングを施した3PAR 7450。性能だけでなく、機能面でも妥協しないHPの執念を見たような気がした。しかも、実運用の事例があることがすごい。クラウドサービスでの実績が増えると共に、オールフラッシュアレイの市場を牽引する製品になっていくだろう。魅力的なプライスや機能強化が実現されるという、今後の展開にもますます期待したい。

■関連サイト

最新ホワイトペーパー「第三者機関が徹底競合比較!HP 3PAR StoreServ QoS機能の優位点とは?」をチェック!


(提供:日本ヒューレット・パッカード)

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ