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車のパーツを壊れる前に直す

2014年04月13日 16時00分更新

文● 伊藤達哉(Tatsuya Ito)/アスキークラウド編集部

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 4月10日、グランドハイアット東京で「Analytics 2014」が開催された。SAS Institute Japanの山下克之部長は、アナリティクス・セッションでセンサー・マシンログ活用の先進事例を語った。

山下克之部長

SAS Institute Japan ソリューションコンサルティング第一本部 エンタプライズアナリティクス推進グループ 山下克之部長。

 自動車の部品メーカーは、パーツの故障をセンサーで予測している。これまでは、ディーラーに入庫した時点で壊れているパーツしか直せなかったが、各パーツの情報を基にもうすぐ壊れそうなパーツを事前に交換することで故障やトラブルを未然に防いで顧客満足度を向上させる。故障したパーツのデータを「学習データ」と呼び、壊れた事象とそのときのパラメーターの関係性を見出し、パラメーターの状態から故障や問題の原因を計算する。

 海上で石油を掘削している装置にもセンサーが内蔵されており、故障や異常をリアルタイムで予測している。石油の掘削装置は、一つの生産工場のようなもので、緊急停止などで装置が止まると収益を生まずに損害となってしまう。ささいな故障が大事故につながる恐れもある。また、自然を相手に作業を進めるため、機器の異常は早く知りたいというニーズが強い。最新の事例では、先端ドリルの回転数や温度、ガスの噴出量といったデータをストリーミング技術で、サーバーへデータを送りリアルタイムで結果を得ている。

「ビッグデータは活用する段階に入る」という山下部長。ビッグデータの活用・アナリティクスを成功させる鍵として「目的・ゴールを明確」「小さな成功体験の積み重ね」「人材は内製化」「経験・勘・度胸は重要なヒント」の4つを挙げてセッションを締めた。


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