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INSIDE the CLOUD

サプライチェーンをもっと俊敏に、しなやかに

2014年05月24日 07時00分更新

文● アスキークラウド編集部

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多彩な業務に向けたアプリケーション

 ビジネスブリッジではベースの共通機能として、表計算ソフトに似た画面を形成する「データフォーム設定」の機能や「変更管理」「文書管理」、さらには「メッセージボード/メール通知/コメント」といったコミュニケーション支援の機能を用意している。  また、セキュリティー機能として、アクセス権限設定や履歴照会、セキュリティーログが収集できるほか、SAP ERPなど、外部システムとのデータ連携インターフェースも備えている。
 この共通機能の上に構築された業務アプリケーションの種類も多彩だ。具体的には、「サプライチェーンコラボレーション」や「品質保証コラボレーション」「エンジニアリングコラボレーション」「サービスデスク」「チームマネジメント」「人財育成コラボレーション」などがラインアップされ、うちいくつかは顧客企業で実際の導入が進んでいるという。
 その一つが、製造業者や販売業者の間で、製造計画調整や納期管理、支給品調整、生産進捗報告などを行うための協働システムである「サプライチェーンコラボレーション」だ。
 また、「品質保証コラボレーション」では、品質に関わる情報を、本社の品質保証部門と工場との間で共有し、苦情処理や変更管理、監査管理、是正措置管理などを回すようになっている。

ビジネスブリッジのデータフォームは、表計算ソフト「エクセル」ライクな作り。多くの利用者が、通常業務の延長線上で違和感なく扱える。

ビジネスブリッジのデータフォームは、表計算ソフト「エクセル」ライクな作り。多くの利用者が、通常業務の延長線上で違和感なく扱える。

コミュニケーションは基幹プロセス

 ビジネスブリッジのようなインフラでは、極めてセンシティブで重要な情報が扱われる。そのため、セキュリティーの確保はもとより、システム障害によるデータ消失やシステムダウンも回避しなければならない。
 一方でビジネスブリッジは、実効性の高い業務サービスを、より安価に、より広く利用してもらうことを想定した仕組みでもある。そのため、サービスを支えるITインフラには、柔軟なスケーラビリティーとコストパフォーマンスが求められた。

クラウドで満たすセキュリティー要件

 これらの要件を全て満たしたのが、マイクロソフトのクラウドサービス「マイクロソフト アジュール」だ。導入の経緯について、ソリューションプロジェクト統括本部 第1プロジェクト本部 コンサルティング3部マネージャー 白坂芳久氏はこう説明する。

東洋ビジネスエンジニアリング ソリューションプロジェクト統括本部 第1プロジェクト本部 コンサルティング3部マネージャーの白坂芳久氏

東洋ビジネスエンジニアリング ソリューションプロジェクト統括本部 第1プロジェクト本部 コンサルティング3部マネージャーの白坂芳久氏

「アジュールは、ビジネスブリッジの厳しいセキュリティー要求に耐え得るクラウドです。SLAベースのセキュリティー運用が可能ですし、第三者診断機関によるセキュリティー診断レポートも、お客さまに提供できます」
 さらに白坂氏は言う。
「しかも、ビジネスブリッジが採用するアジュールのPaaSは、SQLサーバーが三重化されており、重要なデータが消失するリスクが最小化されています。また、サービスバスを通じて外部システムと連携でき、システム保守の手間もほとんど掛からない。アジュールならサービスの海外展開も簡単です」
 東洋ビジネスエンジニアリングでは現在、シンガポールや香港に配備されたアジュールDC(データセンター)などを利用している。ただし、国外へのデータの持ち出しに敏感な日本企業は、そのあたりをビジネスブリッジの問題点と見なす場合もあるだろう。ゆえに、マイクロソフトの日本DCの開設が、日本企業のビジネスブリッジ導入に拍車を掛けそうだ。

(本記事はアスキークラウド2014年6月号に掲載されたものです。本文中の数字や肩書などは本誌掲載時のものです)

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