ワンランク上の上質なデザインと細やかな気配り

MADE IN JAPANノート「LIFEBOOK AH77/M」の美しすぎるデザインを堪能 (3/3)

2014年04月25日 11時00分更新

文● 高橋量

液晶ディスプレーやキーボードの使い心地も抜群

　次に「LIFEBOOK AH77/M」の液晶ディスプレーを見てみよう。ディスプレーのサイズは15.6型で、解像度は1920×1080ドットのフルHD。画素密度は141dpiとそれほど高精細というわけではないが、日常的な作業には十分な品質だ。色の発色もよく、鮮明な映像を楽しめる。

　液晶表面は光沢のあるグレア仕上げで光の映り込みはそれなりにあるが、視野角の広いIPS液晶を採用しているため角度を調整すれば問題ない。タッチパネルの指すべりも良好で、快適に操作することができた。タッチ操作時は皮脂や指紋による汚れが気になることもあるが、「LIFEBOOK AH77/M」では「サラサラコートディスプレイ」と呼ばれる処理によって汚れが目立ちにくくなっている。傷に強い旭化成の強化ガラス「Dragontrail」が採用されている点もポイントだ。

皮脂や指紋がなじむことで汚れが目立ちにくい特殊な表面加工「サラサラコートディスプレイ」と、耐傷性の高い強化ガラス「Dragontrail」を採用している

　快適なタッチ操作を実現するために、さまざまな工夫が凝らされている点にも注目したい。液晶ディスプレーはゴム足などでしっかり固定されているほか、開いた際に本体を浮き上がらせることでタッチ操作時の揺れを軽減できる。タッチ操作時に画面がぐらついてしまうノートも多いが、「LIFEBOOK AH77/M」ならストレスを感じる場面は少ないだろう。

液晶ディスプレーを開くと本体がわずかに浮き上がるため、タッチ操作時のグラつきが少ない

液晶ディスプレーを最大角度まで開いた状態

天板の端に液晶ディスプレーを支えるゴム足が設置されている

　キーボードはテンキー付きの日本語配列で、108キー構成となっている。キーピッチは約18.4mmと15.6型にしてはやや小ぶりな気もするが、数値入力に便利なテンキーが付いていることを考えればやむを得ないだろう。筆者はキーピッチ19mmのフルキーボードを常用しているが、特に問題なく利用することができた。

108キー構成の日本語配列キーボード。キーピッチは約18.4mmとやや小さめ

　キーストロークは約1.7mmと十分な深さが確保されている。キー入力時には「サクッ」としたクリック感があり、軽快に入力することができた。キーを強く押しこむと若干たわみが生じるが気になるレベルではない。カーソルキーも比較的大きくて使いやすいのだが、あえて気になる点を挙げるとファンクションキー周りがかなり小さい点だ。だがそのほかの特殊キーで英数字キーと同じサイズが確保されている点については評価したい。

キーストロークは薄型ノートとしてはやや深めの約1.7mm。キーのトップとサイドが異なる色で塗り分けられているので、個々のキーを判別しやすい

　フラットポイント（タッチパッド）のサイズは実測で幅110×71mmで、マルチジェスチャーに対応している。操作感は上々だが、普段は付属のワイヤレスマウスを使うことになるだろう。画像編集やオフィス利用時には、やはり使い慣れたマウスのほうが細かな作業が行ないやすくて便利だ。

フラットポイントのサイズは幅110×71mm。大きくて使いやすい上、ジェスチャー機能でWindows 8.1の機能を呼び出せる点が便利

付属のワイヤレスマウス。チルトホイール搭載で、サイズも手に馴染む手頃な大きさ

底面と同じくアルミ素材を使用したパームレスト。右側にはタッチでスマホとペアリングできるNFCポートが用意されている

　キーボード上部には3種類のタッチ式ボタンが用意されている。「ECO」ボタンをタッチすると手軽に省電力モードへの移行が可能。「MENU」ボタンは富士通マシンではおなじみのランチャーソフト「＠メニュー」を起動するためのものだ。Windows 8.1利用中に「SUPPORT」ボタンを押すとQ&Aやトラブル解決方法を教えてくれる「サポートナビ」が起動するが、電源オフの状態からはBIOSのセットアップ画面やハードウェアの診断プログラムを利用できる。トラブルが発生した際に利用するといいだろう。

キーボード上部に配置されているタッチ式のボタン。軽く触れるだけで操作できるが、やや強めに押すときしんでしまうので注意

電源オフの状態から「SUPPORT」ボタンをタッチすると、セットアップやトラブル解決用の画面が表示される

アプリケーションメニューから「診断プログラム」を選択すると、マシンの不具合を調査する「富士通ハードウェア診断ツール」が起動する。Windows 8.1が起動しなくなったときなどに利用しよう

　そのほか、ディスプレー上部には、有効画素数約92万画素のウェブカメラが用意されている。通信機能としてはIEEE 802.11a/b/g/nの無線LANと1000BASE-Tの有線LAN、Bluetooth 4.0+HSに対応している。インターフェースはUSB 3.0端子×4、HDMI端子、SD／SDHC／SDXC対応ダイレクト・メモリースロットの構成だ。

薄型ボディでありながら、BDXL対応Blu-rayディスクドライブを搭載している

液晶ディスプレー上部には、有効画素数約92万画素のウェブカメラを配置

キーボード上部にはパイオニアとの共同開発から生まれたBox型スピーカーが配置されている

ワンランク上の上質なデザインと使い心地

　「LIFEBOOK AH77/M」を実際に使って感じたのは、メーカーのデザインに対する強いこだわりと細かな気配りだ。フラットなボディやタッチ操作時のグラつきを抑える工夫など、「そこまでやるか」と思わざるをえない。ハイエンドなフラグシップモデルではあるが、上級者だけでなく初心者にもおすすめできるノートだ。