前回は、PCを中心としたハイレゾオーディオ環境で揃えておくべきハードウェアとソフトウェアの概要を紹介したが、実際にはどのような製品を選ぶべきか? 今回はもう少し具体的に見ていこう。
まずは、どのようなハードウェアが必要となるのかを整理してみたい。前回は大きく4つのシチュエーションを紹介したが、価格をおさえたり、シンプルに構成したいといった具体的な構成例を挙げて、製品をピックアップした。
192kHz対応は案外少ない!? USB DACの選び方
その前に、機材選びに共通した注意点をいくつか。まずはハイレゾ対応機器、特にUSB DACについての見極め方を心得ておきたい。
USB DACを選ぶ際は、対応可能なサンプリング周波数と、ビット深度について確認しておく。現在販売されているハイレゾ音源は96kHzや192kHzとなっているが、USB DACについては96kHzまでしか対応していないものも多い。
また、88.2kHzといった一見半端な値は不要にも思えるが、DSDをPCM変換して再生する場合には重要だ。というのも、DSD非対応のDACで音源を再生する場合、PCM変換が行なわれるが、このときに使われるのが88.2kHzというサンプリング周波数だ。
ビット深度については現状は24bitあれば充分。なかには32bit以上に対応している機種もあるが、32bitの音源はあまりない。将来的にそうした音源が増えることに期待して先行投資するのもいいだろう。
このほか、DSD音源をネイティブ再生したいときには、しっかりと対応が明記されている製品を選ぶ。
近頃はUSB 3.0の機種も増えてきたが、USB 2.0の転送速度でも充分なので、意識しなくてもいいだろう。ちなみに、前回の記事の通り、PC側がUSB 3.0の端子しかない場合は、念のためにUSB 2.0のハブも用意しておくといい。
また、無線LANを用いてワイヤレス伝送が可能なものもあるので、遠くの部屋で聴きたいといった場合などはチェックしておこう。
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