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スマホ・タブ向けWindowsの無償化で本腰のマイクロソフト

2014年04月04日 05時04分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 米マイクロソフトはサンフランシスコで開催中の開発者向けイベント「Build 2014」で現地時間2日、画面サイズが9インチよりも小さいタブレットやスマホを対象に、Windows OSの使用料を無償化すると発表した。

 同社ではハードウェアメーカーなどにWindows OSの使用料を求めているため、最終的に、Windows搭載機器の販売価格には同使用料が上乗せされているのが一般的だ。しかし、パソコン向けでは市場で確固たるシェアを維持している一方、スマホやタブレットではグーグルのAndroid(アンドロイド)と、アップルのiPhone(アイフォーン)やiPad(アイパッド)に搭載されているiOSの2つで市場が独占されている。AndroidとiOSからシェアを奪わなければならない立場では、パソコン向けのようなやり方が通用しないわけだ。

 この施策でWindows Phone(Windows搭載スマホ)やWindowsタブレットの価格が安くなり、AndroidとiOSに対する競争力を高めるのが狙い。競争力という点ではほかにも「Build 2014」では、アップルの「Siri(シリ)」やグーグルの「Google Now」に似た音声認識秘書機能として「Cortana(コルタナ)」を発表している。

 また、パソコンとタブレット、スマホ向けのアプリはこれまで、それぞれにあわせてUI(ユーザーインターフェース)などを個別に開発する必要があったが、「Build 2014」では「Universal Windows App」構想を発表。これにより、パソコンやタブレット、スマホなど複数の端末向けにアプリを1つに統合できるようになる。開発者にとってはアプリ開発が効率的になるのはもちろん、すでに大きなシェアを獲得しているパソコン向けにも容易にアプリを展開できる点から、Windows向けアプリ開発に意欲的となるだろう。アプリの充実は、ユーザーの購買意欲を刺激する。マイクロソフトはWindows PhoneやWindowsタブレットの市場拡大に本腰を入れているようだ。

米サンフランシスコで現地時間2~4日に開催されているマイクロソフトの開発者向けイベント「Build 2014」

米サンフランシスコで現地時間2~4日に開催されているマイクロソフトの開発者向けイベント「Build 2014」

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