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格安スマホの登場でどうなるスマホ市場、iPhoneは?

2014年04月03日 05時59分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 総務省発行「平成25年版 情報通信白書」によると、平成24年(2012年)末時点での携帯電話(PHSとスマホを含む)の世帯保有率は94.5%。このうちスマホは同49.5%となっており、携帯電話の約半数にまでスマホは普及拡大を遂げた。残り約半数のユーザーを携帯電話・PHSからスマホへシフトさせるカギを握っている1つは、格安スマホの存在かもしれない。

 矢野経済研究所が3月に発表した世界のスマホ出荷台数の推移と予測によると、2013年の10億8821万台から14年には13億4188万に拡大し、18年には20億台にまで達すると見込む。その過程で高い需要が見込めるのは新興国市場で、期待されるのは200ドル(約2万円)未満のローエンドの格安スマホだ。

 先進国では400ドル(約4万円)以上のハイエンドモデルが中心だったが、中国では「1000元スマホ」(約1万6000円)と呼ばれるモデルが人気を集めるほど、格安スマホが急速に出荷台数を増やしているという。そして将来、スマホ世界市場は2台に1台が2万円未満のモデルになると予測している。

 ところが、新興国市場をけん引するはずの格安スマホの波が先進国である日本にも押し寄せている。その1つが、4日から8000台限定で発売を予定している「イオンのスマートフォン」だ。イオンと日本通信の協業により、通信料金と本体代金をあわせた金額は月額2980円(税抜)~。機能等を絞り込み、価格を抑えた。他社の無線通信インフラを借りるMVNO(仮想移動体サービス事業者)による日本通信のモバイル・インターネットサービス「b-mobile」を利用しており、今後も同様にMVNOを利用した格安スマホが登場すれば、スマホ市場は活性化されるだろう。

 格安スマホの中心はAndroid(アンドロイド)勢だが、一方のiOSを搭載したアップルのiPhone(アイフォーン)はどのような戦略に打って出るのか。アップルは昨秋、iPhone 5のスペックアップモデルとしてiPhone 5sを発売したが、同時に低価格モデルのiPhone 5cもラインナップした。アップルの価格ではSIMフリーモデルの16GBモデルで、5sの6万7800円(税別)に対して5cは5万7800円(税別)とその差はわずか1万円。前述の矢野経済研究所のレポートから世界の格安モデルは200ドル(約2万円)未満が主流のため、5cは格安モデルではなく、あくまで5sの低価格モデルという位置づけだ。

 5s/5cの後継機(iPhone 6)については、アップルからの正式発表はないものの、英メディアのロイター(Reuters)が現地時間1日に報じた内容によると、画面サイズが5s/5cの4インチより大きく、4.7インチと5.5インチの2種類をラインナップ。発売時期は5s/5cの1年後となる今年の秋を予定しているという。価格よりも画面サイズでバリエーションを増やすのか。今後の展開に注目したい。

4日発売の「イオンのスマートフォン」は通信速度の上限を200kbpsにするほか機能等を絞り込み格安とした

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