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遠藤諭の『デジタルの、これからを聞く』 第1回

藤井太洋氏に聞く、IT業界のすぐそこにある未来、いま起きている現実

ITとともに生まれた産業革命に匹敵する本質的な方法論

2014年04月16日 11時00分更新

文● 遠藤 諭/角川アスキー総合研究所

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 『デジタルの、これからを聞く』第1回は、SF小説『GeneMapper』のヒットで話題となった、藤井太洋さんに登場していただきます。処女作『GeneMapper』では、ARコンタクトレンズによる仮想的なデスクトップ(空中にウィンドウ等が浮かぶ)が登場し、リアルなアバターで会話し、まるでHTMLやJavaScriptのように、スタイルシートを編集することで遺伝子を書き換えられたりする近未来を描きました。

 そして最新作の『オービタル・クラウド』では、軌道上のホテルやスペーステロなど、これもちょっと先の宇宙開発の時代が舞台となります。今作の執筆の動機は、実は「ハッカソン」だったという藤井さんに、今より少し先の未来がどんな世界になっていくのかをうかがいました。

藤井大洋──お話を聞いた人

 1971年、奄美大島生まれ。2012年7月にSF小説『Gene Mapper』をセルフ・パブリッシングで電子出版。同年の国内Kindle向け電子書籍市場で、最も売れた文芸・小説作品となった。Gene Mapperは2013年4月に早川書房から『Gene Mapper -full build-』として刊行。最新作の『オービタル・クラウド』は2014年2月下旬、早川書房より上梓された。

藤井太洋はなぜ宇宙を題材としたか

遠藤 前作『Gene Mapper』は、バイオや遺伝子といった、いわゆるミクロコスモスがテーマでした。今回長編2作目にして一気に宇宙がテーマになりましたよね。

藤井 そうですね。ただ、舞台はすごく近くなっています。Gene Mapperの舞台は2037年ですが、あれは発展速度が加速した前提です。今のままテクノロジーが進んでいくと2050~60年位に実現するイメージかな。

遠藤 なるほど。

Image from Amazon.co.jp
オービタル・クラウド

藤井 『オービタル・クラウド』の舞台は2020年ですが、これは2018年、あるいは2016年でも起こりうる状況の話として書いてます。

遠藤 あまりSFって感じではないですね。

藤井 いえ、十分にSFなんです。私たちの生活の中に潜んでいる、SFとしか言いようがないシチュエーションが存分に描かれています。

 ではなぜ2020年にしたかというと、クリスマスの時期に登場人物が空を見上げても、月が見えないようにしたかったんです。そのタイミングで新月になるのが2020年なんですね。

 (舞台設定上)クリスマスというのは必然性があったのですが、そこで月が見えていると演出上ちょっと……、と思う部分がありまして。物語の舞台が日本、中東、インド洋上、あとアメリカと何ヵ所にも分散しているのですが、時差があるために同じ時間でも月の角度が変わるんですよ。それが嫌だったんです。

 それから、NASAなどの宇宙機関の飛行計画が2018年くらいまで確実に決まっているのが厳しいなと。その頃までに何をやっているかというスケジュールがあるので、そこには触れないようにする意味でも2020年にしました。だから、ほぼ現代の話です。

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