2-in-1モバイルノートとしては妥当なパワー
続いて、VAIO Fit 11Aのベンチマーク結果をご覧いただこう。テストに利用したのは最上位のパーツばかりを選んだ最強構成モデルだ。テストにあたってはWindows 8.1の電源プランを「高パフォーマンス」に設定し、「VAIOの設定」の「CPUとファン」を「標準」に設定している。パーツ構成や利用環境によってテスト結果が異なることもあるので、あらかじめご了承いただきたい。
試用機の主なスペック | ||
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CPU | Intel Pentium N3520(2.16GHz) | |
メインメモリー | 8GB(最大8GB) | |
グラフィックス機能 | Intel HD Graphics(CPU内蔵) | |
ストレージ | 約256GB SSD | |
OS | Windows 8.1(64bit) |
Windows 8.1の快適さを表わす「Windowsエクスペリエンスインデックス」では、CPUの処理能力を表わす「プロセッサ」が「4.4」、メモリーのアクセス性能を表わす「メモリ」が「7.3」、デスクトップの描画性能を表わす「グラフィックス」が「4.6」、ゲームでの3D描画性能を表わす「ゲーム用グラフィックス」が「4.4」、ストレージのアクセス性能を表わす「プライマリハードディスク」が「7.75」という結果となった。
メモリーとストレージのスコアは非常に優秀だが、CPUやグラフィックス関連のスコアは低めだ。だが「Bay Trail-M」はモバイルノート向けにパワーよりも省電力性能を重視したSoCであることを考えれば、このスコアにも納得できる。むしろ、そこそこ健闘しているといえる。
「CrystalDiskMakr」でストレージのアクセス速度を調べてみたところ、読み込みと書き込みともに250MB/s以上という結果だった。Serial ATA 6Gbps対応のCoreシリーズ搭載Ultrabookではより高速なアクセスが可能だが、VAIO Fit 11AはSerial ATA 3Gbps対応であるため、結果としては妥当なところだろう。CPU性能を計測する「CHINEBENCH」ではやはりパワー不足から低めの結果となった。
総合パフォーマンスを計測するベンチマークソフトを利用したところ、「PCMark 7」で「3206」、「PCMakr 8(Home accelerated)」で「1423」、「PCMark Vantage」で「7606」という結果だった。描画系テストのスコアが低いため総合的な結果としては低めだが、描画機能を使わないテストでは高いスコアが出ている。
ゲームプレーに必要な3D性能を評価する「3DMark」は、DirectX9相当の「Ice Storm」で「19192」という結果に。DirectX9の3D性能をより詳細に計測する「3DMakr Vantage」では、102×768ドットのパフォーマンスモードで「862」と低いスコアとなった。ゲームの設定で画質や解像度を低めに調整しても、快適にプレーするのは難しそうだ。
最後にバッテリー駆動時間の計測結果を紹介しよう。テストにあたって変更したシステム設定は以下のとおりだ。
- Windows 8.1の電源プランを「省電力」に設定
- 「VAIOの設定」の「CPUとファン」を「静かさ優先」に設定
- 液晶ディスプレーの明るさを40%に設定
- Wi-Fiはオン、BluetoothとNFCはオフ
- ボリュームを50%に設定
- キーボードバックライトはオフ
「BBench」から60秒ごとのWebアクセスと10秒ごとのキー入力エミュレーションを有効にした状態でテストを行なったところ、テスト開始から4時間39分でバッテリー残量が5%となり休止状態へ移行した。カタログ上の公称値では8時間駆動とされているが、これはマシンの性能を極端に抑えて省電力性能を引き上げた時のもの。無線LAN経由でWebにアクセスする現実的なテストでこれだけ持つのなら、まずまずと言えるだろう。ネットにアクセスしない時は無線LANをオフにしたり、画面の明るさをさらに下げるなどすれば、駆動時間はもっと伸びるはずだ。