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iOS「Siri」の技術提供元? ニュアンスが日本向け戦略を発表

2014年03月17日 23時00分更新

文● 小山安博

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声紋認証機能を搭載予定
Android向けアプリ「Dragon Mobile Assistant」

 肝心の音声技術としては、これまでの技術の蓄積や、利用者の音声コマンドの集積に加え、Android向けアプリとして「Dragon Mobile Assistant」を提供。Nuanceの技術を用いた音声アシスタント機能として利用できるが、こちらの音声情報もユーザーの同意を得た上で収集しており、技術の改善に活用しているそうだ。2009年以来、音声認識の誤認識率は全体の平均では年率20%で改善しており、アジア太平洋地域の言語ではこれまでに50%の改善を示しているという。

現在の対応言語

認識率の改善のグラフ

 同アプリでは、「ハロー、ドラゴン」という最初のコマンドから「東京の明日の天気は?」という連続した自然言語での発話で検索できる点が特徴。4月には、声紋認証機能を搭載する予定だという。ただし、現時点では日本語非対応だが、現在はベータテストを行なっているとのことだ。

 この自然言語というのがポイントで、現在は車載機器を音声で操作する場合、「ナビゲーション」「目的地に行く」といった具合にステップごとに音声コマンドを発話しなければならない。音声認識・合成技術を車載機器側に保持していることもあるが、今後はネットワーク越しに認識を行なうことで、自然言語での会話形式で操作ができるようになる、という。


Googleに対する優位性はノイズ除去技術

 ネットワークを使った音声認識ではSiriやGoogle検索もあり、ライバルに対する優位点を尋ねたところ、Siriに関しては(Nuanceの技術を採用とみられるためか)ノーコメントだったが、Googleとの比較では、特にノイズ除去技術で優れているという。運転中の車内はさまざまな騒音があり、複数の人が同時に話したり、音楽が流れていたりする。その中で、対象となるユーザーの声以外を除去することで、正確に認識できるようにするための技術だ。

 Nuanceの技術は、パナソニックのテレビにも採用されており、リモコンを使って音声コントロールができるようになっているが、このノイズ除去技術を生かし、テレビの音声の中でも離れた距離からも音声コントロールできるようにしていくという。

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