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岐路に立つXaaS事業者のインフラで最適なEMCアイシロン

2014年04月21日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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3月7日、EMCジャパンは「国内外の先進ユーザーに学ぶ、多様化するXaaSの裏側とは?」というセミナーを開催した。セミナーの冒頭では、EMCのエンジニアが通信事業者とサービスプロバイダーのインフラの構築にEMCアイシロンがなぜ選ばれるかを語った。

通信事業者とサービスプロバイダーは
大量データに立ち向かえる?

 セミナーの冒頭、EMC Isilon APJ Corporate Systems Engineer アルセーニ・チェルノブ氏が、グローバルでのアイシロンの事例を紹介した。チェルノブ氏は通信事業者やサービスプロバイダーなどのビジネスに長らく従事し、特にここ5年はクラウド関連のビジネスも担当しているという。

EMC Isilon APJ Corporate Systems Engineer アルセーニ・チェルノブ氏

 チェルノブ氏がまず指摘したのが、通信事業者やサービスプロバイダーのビジネスが大きく変わっているという点だ。「ケータイが電話として使われていた当時、キャリアは大きなアンテナで会話のデータをやりとりしていた、しかし、いまや人々は電話を止めて、ビデオや写真をアップロードするのに使っている。1つ10MBのファイルをどこかに収めなければならない」と語る。

 しかし、多くの通信事業者やサービスプロバイダーはこうしたビジネスの変化について行けず、バックエンドのシステムやインフラは悲鳴を上げているという。チェルノブ氏は、「加入者がさまざまなデータを生成し、デバイスが増えることで、既存の設備では処理や保存が追いつかなくなっている。また、保存するだけではなく、大量のデータを移動させるのも難しくなっている」と指摘する。トラフィックの需要にネットワークが追いつかないという点はよく指摘されるが、データの処理や保存という観点でも、通信事業者やサービスプロバイダーの限界は露呈しつつあると言える。これに対して、現在の通信事業者・サービスプロバイダーは、運用、ビジネス、CRM、課金など異なるシステムをそれぞれ持っている状態。サービスごとにインフラもサイロ型で構築されているため、新システムへの移行もきわめて難しいのが現状だ。

通信事業者の情報はサイロ化により、分断を起こしている

最大84PBの事例も!EMCアイシロンはなぜ躍進したのか?

 こうした通信事業者やサービスプロバイダーの課題に対して、EMCアイシロンのスケールアウトNASはベストフィットする。チェルノブ氏はシングルボリュームでスケールアウトできるEMCアイシロンについて、「同じボリュームに複数の異なるプラットフォームを載せることができる。アーキテクチャを変更せず、パフォーマンスと容量をバランスよく拡大することが可能だ。こうしたことはヘッドにディスクをぶら下げる既存のストレージでは実現できない」と語る。

 チェルノブ氏は、IDCとガートナーなどの大手調査会社がEMCアイシロンをスケールアウトNASでナンバーワンの地位と位置づけていることをまず紹介。また、グローバルで4000におよぶ顧客のうち、通信事業者とサービスプロバイダーの割合は高いとアピールした。実際、米国トップのワイヤレスキャリアや大手のラックスペースのほか、NTT、ヤフージャパン、スターハブ(シンガポール)などさまざまな通信事業者・サービスプロバイダーで導入されているとのこと。2012年は前年比で60%の成長を達成したほか、EMCのビジネスで過去最大の84PBという案件も獲得したという。

 なぜ、EMCアイシロンを通信事業者やサービスプロバイダーが選ぶのか? チェルノブ氏は、EMCアイシロンでは瞬時に容量やパフォーマンスの拡張ができ、物理容量の利用効率、データ保護、投資対効果も優れているからと説明する。なにより、Hadoopの分析に向いており、VMwareととも緊密に連携するのも大きなメリットだという。

 EMCアイシロンのソフトウェアである「OneFS」は通信事業者やサービスプロバイダーに向けた機能を満載している。ストレージとサーバーファーム間で特定のマッピングを必要としないという点を中心に、アンチウイルスのサポート、ロールベースの管理、オブジェクトストレージ、運用管理を自動化するAPIも提供している。パフォーマンスも強力で、拡張に合わせて性能もリニアに拡大できるという。

XaaS事業者に最適なアイシロンのメリット

 チェルノブ氏は、通信事業者向けのソリューション例として、データのアーカイブサービスを挙げた。EMCアイシロンでは1回の書き込み(WORM)による長期保存の保証、SEC 17A-4モードやディスク暗号化などにも対応するほか、WAN経由でのレプリケーションやシングルクリックでのフェイルオーバー・フェイルバックにも対応する。

 また、ビデオや音声などのマルチメディアの配信は、同社がもともと得意な分野で、数多くの実績を持っている。現在ではトリプルプレイや医療系の静止画保存、ビデオによる監視などのサービスで数多く使われているという。チェルノブ氏は、「動画配信はデバイスによって最適なデータが必要になる。スケールアウトを考えていないストレージであれば、とても運用できないだろう」と指摘する。

 もちろんEMCアイシロンはビッグデータのプラットフォームとしても最適だ。HadoopのファイルシステムをサポートするEMCアイシロンであれば、ストレージ上のデータに対して、直接分析をかけられる。さらにHadoopのワークロードをVMware ESXi Cluster上で実行できる「vSphere Big Data Extentions」を用いることで、マルチテナントでの分析環境を実現するという。

Hadoopのファイルシステムにネイティブ対応するEMCアイシロン

Isilon+Pivotalを活用したスターハブ

 実際の事例として紹介されたのは、220万の加入者を誇るシンガポールの第2位のサービスプロバイダーであるスターハブだ。スターハブはFTTH回線を自前で持っており、音声やTV、ブロードバンドなどのトリプルプレイを提供している。「スターハブの1日は、まさにビッグデータの1日だ。契約者のスマートフォンやTV、ルーターなどがさまざまなデータを生成し、FTTH関連は1兆ものログが作られる」(チェルノブ氏)という。

トリプルプレイの情報を収集するスターハブはまさにビッグデータの1日だ

 同社ではCRMデータ、性別や年齢、収入などの加入者情報、モバイルデバイスのタイプ、パケットインスペクションで収集したロケーションやパケットデータなどを用い、SQLを利用できるモバイルブロードバンドのレポートシステムを構築しているという。システムは当初500TBからスタートし、ストレージとして4台の「EMC Isilon X400」、Hadoopの処理に12の「Pivotal Hadoop Compute cluster」を採用。チェルノブ氏は、こうした実例を示しつつ、通信事業者のビッグデータ向けのストレージとしてアイシロンをアピールし、講演を締めくくった。

 次回は、NTTPCとヤフーによるEMCアイシロンの導入事例を紹介していく。

講演が動画でチェックできるEMC Isilon Virtual Event開催中!

 

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(提供:EMCジャパン)

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