欧州委員会(European Commission)は3月13日、EU内で販売されるスマホなど携帯情報端末の充電コネクタ形状を共通化することに合意した。
これは数年前からEUが検討課題としていた議題。スマホや携帯電話などが製品ごとにACアダプタが付属し、数年経てばゴミとして捨てられてしまうことに対し、環境負荷などを考えれば共通化したほうがいいのではないか。ということを議論していて、今回賛成多数で合意したもの。EUではさらに各国内法として決定し、それぞれ施行されるようだ。
これにより、2017年までにはスマホや携帯電話に加え、ハンディGPSや自動車用ドアリモコンなどもはすべて同一の充電器で利用できるようになる。充電コネクタはUSB microと互換性があるコネクタが予定されている。メーカーとしてもEU向けとその他地域向けに製品のコネクタ形状を変える理由もないだろうから、全世界的にも共通化することは間違いないだろう。
最初にEUで議題化したのが2009年、EUで正式に提言(提案書IP/12/1109)されたのが2011年で、当時は各種各様のスマホや携帯電話のプラグが存在したのも確かだが、ここ数年でメーカー各社も製品パッケージにACアダプタを付属させるのが一般化になった。Androidスマホや小型タブレットの給電端子はUSB micro-Bに統一され、実際のところいつ施行されてもさほど問題はないような流れにはなっている。
もっとも、USB micro互換といっても現在のところ主流のmicro-Bコネクタにな決定しているわけではない。とくにUSB-IF(USBの規格を定めている団体)では2017年よりもかなり早い段階でUSB Type-C(micro-Bと同サイズで裏表なく挿せる次世代USB規格)を一般化するつもりでいるので、こちらの動きも気になるところ。
ともあれ一番気にかかるのはLightningコネクタを使うアップル製品。このEUの充電端子共通化計画にはアップルも合意している。当初はLightning/USB変換アダプタ(現在でも販売されている)が標準同梱するかもしれないが、いずれはAndroidと共通になることは十分予想される。
2017年といえば携帯を2年縛り契約ごとに買い替えてもあと2回ちょっと。現在使っているスマホの次もしくはその次に買い換えるスマホ/iPhoneでは充電端子が変わり、またモバイルバッテリやスマホスタンドの類もかなりの変化があることだろう。