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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第244回

Haswell-Refreshの発売を間近に控えるインテルのロードマップ

2014年03月17日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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ハイエンドのHaswell-Eは
DDR4の供給に合わせて投入か?

 さて、年末にはいよいよハイエンドの更新がある。現在は11月といわれているが、これは早めのスケジュールであって、実際は12月か最悪2015年にかかる可能性もあるが、Haswellベースの「Haswell-E」がこのタイミングでCore i7 Extreme及びCore i7に投入される見込みだ。

 パッケージはLGA2011-3というもので、大きさそのものは既存のLGA2011パッケージと同じだが、切り欠けの位置が異なるので互換性はない。

 こちらは8コア製品で、最大20MBの3次キャッシュを搭載する巨大なものになりそうである。メモリーはDDR4-2133までに対応したものとなる予定だ。対応するチップセットはIntel C610シリーズをベースとしたX99チップセット(Wellsburg)となる見込みである。

 実はこのHaswell-Eが前倒しされる、という情報もあったのだが、現実問題としてその可能性は非常に低いと筆者は考える。理由はメモリーだ。DDR4は、やっとメモリーチップメーカーから検証用にチップレベルでの出荷が始まったばかりで生産量は非常に少ない。

 現在はメモリーチップメーカーとメモリーモジュールメーカーが、このチップを入手してDDR4 DIMMの試作や検証を行なっている段階で、まだPCメーカーにES品が流れてくるような状況ではない。このあたりが一段落して、実際にわずかでもDDR4 DIMMが購入できるのは今年第4四半期に入ってからと予測されている。

 ただし購入できるといっても、店頭で買えるわけではなく、おそらく最初はCrucialなどの一部のメモリーモジュールメーカーから通販などで若干提供される程度に留まるだろう。

 つまりHaswell-Eを前倒しにしても、実際にはメモリーがないから使えないことになり、前倒しをする意味がない。現実問題としては、今年末でも誰も困らないわけで、早くて11月末のスケジュールをキープするものと思われる。

写真は2013年9月に発売された、現行モデルのIvy Bridge-E

 デスクトップ向けとしては、一部SKUにBroadwellベースの製品が投入される程度で、それ以外は大きな動きはなさそうである。一応14nm世代のAtom(Airmont)ベース製品である「CherryTrail-T」は今年後半に予定されているが、これのデスクトップ版である「CherryTrail-D」が同時期に投入されるかどうか、現時点でははっきりしていない。もし投入されるとすれば、既存のPentium/Celeron向けのアップデートということになるだろう。

 次の大きな動きは2015年に予定されている「Skylake」であるが、これについては現時点でほとんど情報がない。もしかすると4月に予定されているIDF China(今年は北京を離れてシンセンで4月2~3日に開催される)で若干情報が出てくるかもしれないが、まずはBroadwellが先なので期待薄である。可能性が高いのは、むしろ9月に開催されるIDF 2014 Sanfranciscoの方だろう。そこまではあまり情報は出てこないと思われる。

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