このページの本文へ

驚異的なのは軽さだけじゃない。「LaVie Z」検証 第3回

「AtermWF1200HP」で通信速度や回線の安定性について検証

「LaVieZ」+「Aterm WF1200HP」でIEEE 802.11acの高速無線通信を試す

2014年04月20日 17時30分更新

文● 高橋量

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

11acは通信が安定して速度が落ちにくい

 では実際にLaVie Z LZ650/NSAtermWF1200HPを11acで接続してみよう。標準では5GHz帯のSSIDは「atem-○○○○-a」となっている。簡易接続機能を使ったり、暗号化キーを入力などすれば接続完了だ。コントロールパネルから状態を確認すると、速度が「866.7Mbps」となっているのがわかるだろう。

デバイスマネージャの「ネットワークアダプター」では、11ac対応の「Intel Dual Band Wireless-AC 7260」を確認できる

11acに接続後「Wi-Fiの状態」を確認すると、866.7Mbpsで接続された

 なお867Mbpsで接続されているといっても、実際にこのスピードで通信できるわけではない。これは理論値上の最大速度であって、実際には速度がグッと下がってしまうことが多いのだ。たとえば最大867Mbpsでも実際の速度は200~300Mbpsであることもザラであり、機材や電波状況によっては100Mbpsを割り込むこともある。

 また試しに2.4GHz帯の11nで接続してみたところ、リンク速度は144Mbpsだった。2×2のMIMOであれば最大300Mbpsで接続されるはずだが半分以下になっている。おそらく2.4GHz帯では多くの無線ネットワークが存在するため、混線によって通信速度が低下してしまったのだろう。仮に11acで通信速度があまり伸びなかったとしても、混線による影響が少ないという点では利用する価値はある。

2.4GHz帯の11nに接続した状態では、144Mbpsで接続された

「inSSIDer」で無線LANの電波状況を確認したところ、2.4GHz帯では周囲に無線ネットワークが多くほとんどのチャンネルが使われていた。これでは混線の影響で通信速度が伸びない

 無線LANルーターの性能を評価する場合、WAN回線ではなくLAN内でのスループットを計測するのが一般的だ。たとえば100MbpsのFTTHであっても、通信局までの距離や利用環境、利用する時間帯によって実際の通信速度は大きく変わってしまう。そのため、今回はLAN内でのスループットの計測結果のみ紹介する。しかしテストで利用している有線接続についてはAtermWF1200HPが最大100Mbpsの100BASE-TXまでしか対応していないため、100Mbps以上の速度が出ていない。あらかじめご了承いただきたい。

 テストには、ネットワークのスループットを計測する「JPerf(Iperfのフロントエンド)」を利用した。LaVie Z LZ650/NSはクライアントとして利用し、CPUにCore i7-2670QM(2.2GHz)を搭載、メモリーは8GB、1000BASE-Tに対応したWindows 8.1(64ビット)のマシンを有線で接続して使っている。

ネットワークのスループットを計測する「JPerf(Iperf)」

 まずはLaVie Z LZ650/NSAtermWF1200HP同じ部屋の中で2メートル程度離した状態での測定結果から。近距離ということもあって、2.4GHz帯と5GHz帯で同じ程度の速度だった。AtermWF1200HPはの有線接続では100Mbpsが最高速度だが、1000BASE-T対応に無線LANルーターを使えば11acの速度はもっと伸びるだろう。

 10メートルほど離れた2つ先の部屋に移動してテストを実施したところ、5GHz帯ではほとんど変わらなかったが、2.4GHz帯では30%ほど速度が低下し、結果11acの方が通信が安定した。

 ちなみにサーバー側のPCを優先ではなく、他社メーカーの11ac対応USB無線アダプターを使って11acに接続してみたところ、有線接続よりも速度が落ちる結果となった。理論上は両PCともに867Mbpsの速度で接続されているわけだが、実際には100Mbpsの有線接続よりも遅い結果になった。おそらくUSB無線アダプターを利用したので、通信が不安定になったためだろう。


(次ページ「『LaVie Z』+11ac無線LANルーターで高速なネット生活を!」へ続く)

カテゴリートップへ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中