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CeBIT 2014リポート(4)

ハノーファーからガンバレ、ニッポン!

2014年03月14日 16時00分更新

文● アスキークラウド編集部

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「CeBIT 2014」の会場がある独ハノーファー市は、日本から直行便のない地域。はっきり言って心が折れるくらい遠い。そんな中、わざわざ日本からスタッフを派遣してブースを構えていた企業が3社ある。

 情報通信系のコンベンションとしては世界最大級の規模を誇る「CeBIT 2014」。そのため、欧州でのビジネス展開を目論むなら外せないイベントでもある。当然ワールドワイドに展開する日系企業各社も多数出展しているが、それらは現地法人が主導したものばかり。しかし、わざわざ日本からスタッフを派遣して、ブースを構えていた企業が3社あった。

 業務用のシステムソリューションを提供するエンパシも、日本からスタッフを派遣してブースを構えていた企業のひとつ。CeBITではスワイプ/IC/NFCに対応した自社開発のタブレットを用いた決済ソリューションを展示。国内でもまだ販売していないソリューションだが、「海外は販売店を探すところからスタートしなくてはならないので、国内に先駆けて営業活動をしている」という。1月にも米ニューヨークでコンベンションに参加しており、北欧や欧州、中東などから引き合いがあるという。

オールインワン決済タブレットの「EM10」。入力されたデータをクラウドで管理するソリューションごと販売。主なターゲットは中小の小売店だ

 産業用小型プリンターのモジュールを開発する日本プリメックスは、同社いわく「CeBITには例年出展しており、表彰されてもいいくらい(笑)」の常連。KIOSKやPOS端末のプリンターモジュールを生産しており、当然ターゲットはワールドワイド。世界各地で開催されるコンベンションに対しても「セグメントの絞られたものにはできるだけ出展」しているという。

最終的にデバイスを組み立てるエンドユーザーに対して、モジュールを納品するインテグレーターが存在するB2Bの世界。日本プリメックスが訴求する相手は世界各地のインテグレーターだ

 スマホ・ケータイ向けのアクセサリーを手がけるラスタバナナはCeBITヘの出展は2回目。スマホ向けの液晶保護フィルムを展示しており、「Made in Japan」の品質と豊かな製品ラインアップを武器に欧州での販売店を探している。すでに数社と話をしているものの、他のアジア勢よりも若干割高な価格を品質でどうカバーするかがポイント。「国内よりも海外のほうが弊社製品の品質を評価してくれる」というので、同社製品が欧州市場に出回る日は近いかもしれない。

ブースではサンプルを用意して、実際の触り心地を確かめられる

 ドイツで開催されているだけに欧州ビジネスでの足がかりという側面を持つCeBIT。IT新興地域でもポーランドやルーマニア、スロバキア、ブルガリアといった欧州各国は国が主導してブースを構えている一方、中国や台湾、韓国、インドといったアジアの国々も、主に製造業者として圧倒的な存在感を誇っていた。コンベンション参加の効率性の問題はあるものの、取材する側としてはもっと日本企業、特にこれから世界で伸びていこうという企業にはがんばってほしいと感じた。

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