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東芝8インチWindowsタブレットレビュー 第4回

dynabook VT484が8インチタブレットである所以

Windows 8.1と8インチタブレットの可能性

2014年03月10日 11時00分更新

文● 塩田紳二

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PC以外のタブレットでは、8インチ前後のタブレットが主流に

 dynabook tab VT484のような8インチサイズは、これまで、俗にミニPCと呼ばれる特殊なサイズのノートPCでしか使われてこなかった。現在のノートPCは、11~15インチが主流で、世界的に見ると15インチクラスが最も多い。

PC以外のタブレットでは、取り回しが楽な7~8インチサイズのタブレットが主流になりつつある

 ところが、PC以外のタブレットでは、8インチ前後のタブレットが主流になりつつある。AndroidやiOSでは、10インチのタブレットから製品化がスタートした。たしかにタッチのみで操作することを考えると、10インチは適当な大きさではある。しかしその反面、重量が大きくポケットには入らないサイズなので、外出などモバイルで使える場面は限られていた。そこで登場したのが、一回り小さく、取り回しが楽な7~8インチサイズのタブレットだ。

 かつては、7インチなどダメだと主張していたアップルもiPad miniでこのサイズに参入したのは、市場動向に動かされたからであろう。市場は、GUI操作がしやすいなどの「論理」よりも「取り回しが楽」であることを選んだのである。

 10インチと8インチの差は、たとえば電車で席に座って使って見るとよくわかる。10インチのタブレットを横向きにして両側を手に持つとどうしても、肘がカラダの左右にはみ出し、窮屈になってしまう。ところが8インチ前後のサイズであれば、同じように持っても窮屈さは感じない。

 また、重さの点でも大きく違う。10インチクラスのタブレットは、片手で持っていると手が疲れてしまい、長時間支えることは困難だ。膝の上に置く手もあるが、そうすると今度はディスプレーが水平になってしまって、背中を曲げてのぞき込むかたちになり、やはり長時間の利用が難しい。これに対して8インチ前後のタブレットは、片手で持っていてもさほど疲れを感じないため、膝の上に置く必要もない。

8型タブレットなら片手で持ってゲームも楽にプレイできる

 これまで、10インチ以下のミニPCについては、非常に好む人がいる反面、画面やキーボードが小さいために一般的にはあまり「ウケ」が良くなかった。しかし、タブレットの場合手に持って使うため、ノートPCよりも目に近い位置で使うので、画面サイズはあまり問題にならない。また、キーボードがないため、そのサイズが問題になることもない。

 そういう意味でdynabook tab VT484のような8インチタブレットは、従来のミニPCとはまったく違う製品であり、ミニPCの評価はまったく当てはまらない。また、Baytrail CPUは高性能で、比較的負荷の高い処理もこなすことが可能だ。最近では、クラウドサービスが広く普及しているが、PCでは多くのサービスをブラウザから利用する。こうしたサービスではJavascriptやFlashといったブラウザ向けのスクリプトなどが多用されており、ブラウザの負荷は、非常に高い。

 場合によってはワープロや表計算などのローカルで動作するアプリケーションよりも高い。というのも、JavascriptやFlashなどでは、ローカル側のプロセッサーがインタープリター方式で実行するため、機械語にコンパイルされたアプリケーションよりも負荷が大きくなるのである。しかし、そのためにウェブサイト側を書き換えれば、すぐに機能の追加や変更が可能。インストールという形でローカル側の環境を変更しないといったメリットがある。こうしたクラウドの状況を考えると、たとえ8インチのタブレットでも、処理性能は重視されなければならない。


(次ページ「センサーを搭載しているタブレットとそうでないタブレットには大きな違いがある」に続く)

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