米フェイスブックが無人飛行機開発メーカーの米チタンエアロスペース(Titan Aerospace)を買収しようとしていると、米メディアのテッククランチ(TechCrunch)が報じた。インターネットを世界中に網羅させるためだという。
米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、昨年8月に「internet.org(インターネット・オルグ)」なる新しい取り組みを立ち上げた。インターネットにアクセスできるのは世界人口の3分1、わずか27億人にすぎず、残り3分の2にあたる50億人を新たにインターネットへ接続できるようにしようという試みだ。
インターネット・オルグには、米フェイスブックをはじめフィンランドのノキアや米クアルコム、スウェーデンのエリクソン、ノルウェーのオペラ、韓国のサムスン電子、台湾のメディアテックが参画。今年の2月に、インターネット・オルグの活動をサポートする研究機関として、フェイスブックとエリクソンが共同で「Innovation Lab(イノベーション・ラボ)」を設立するなど、着実に活動を進めつつあった。チタンエアロスペースの買収が実現すれば、空からインターネット接続環境を整えようというわけだ。
空からのインターネット環境の整備は同様の事例がすでにある。昨年6月に米グーグルが発表した「Project Loon(プロジェクト・ルーン)」で、ネット接続機能を備えた気球(風船)を飛ばし、空からインフラ構築を目指している。また、無人機を利用するという点では、米アマゾンが、ネット通販のアマゾン・ドットコム(Amazon.com)で受注した商品を小型の無人ヘリコプターで30分以内に宅配するサービス「Amazon Prime Air(アマゾン・プライム・エア)」を発表している。IT関連の世界的企業は「空の活用」にも目を向けているようだ。
