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JALのジェットエンジン整備はミリ単位の繊細な作業だった!

2014年03月09日 01時00分更新

文● 藤山 哲人

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JAL機のエンジンをすべて整備する
エンジン整備センター

 さて取材で訪れたのは、成田空港の敷地内にあるJALエンジン整備センター。ここはJAL機すべてのエンジンを点検整備をする巨大センターだが、飛行機の姿はどこにもない。ここには機体から下ろされたエンジンのみが運ばれてくるからだ。また羽田をベースにする国内線のエンジン整備は、成田に回送する場合もあれば、エンジンのみを羽田から陸送してくるときもあるという。

成田空港近くにあるJALのエンジンメンテナンスセンター。ここでJALのエンジンをすべて整備する

ガレージのような吹きさらしではなく広大な建物の内部。作業内容ごとに区画が分かれていて、数フロアの層になっている

 2013年9月30日現在で、JALが保有している機体とエンジンは次の通りだ。

JALが保有している機体とエンジンの比較表
機種名 用途 巡航速度 航続距離 エンジン型式 エンジンメーカー 推力
767-300 国内線・近距離国際線用 862km/h 3280km JT9D-7R4D プラット・アンド・ホイットニー 2万1773kg
767-300 国内線・近距離国際線用 862km/h 5510km CF6-80C2B4F ゼネラル・エレクトリック 2万5982kg
767-300ER 国内線・近距離国際線用 862km/h 9400km CF6-80C2B7F ゼネラル・エレクトリック 2万7230kg
777-200 国内線用 905km/h 4740km PW4074 プラット・アンド・ホイットニー 3万5127kg
777-200 国内線用 905km/h 4740km PW4077 プラット・アンド・ホイットニー 3万6270kg
777-300 国内線用 905km/h 3210km PW4090 プラット・アンド・ホイットニー 4万1636kg
777-200ER 国際線用 905km/h 8200kmもしくは1万2600km GE90-94B ゼネラル・エレクトリック 4万4135kg
777-300ER 国際線用 862km/h 1万2600km GE90-115B ゼネラル・エレクトリック 5万2409kg
737-400 国内線用 798km/h 3320km CFM56-3C-1 CFMインターナショナル 1万660kg
737-800 国内線・近距離国際線用 829km/h 4500km CFM56-7B CFMインターナショナル 1万977kg
787-8 国際線用 901km/h 1万4800km GEnx-1B ゼネラル・エレクトリック 3万1480kg

 現在エンジンを4発搭載したボーイング747(ジャンボ)や3発のDC-10、MD-11などはすでに引退している。そのためすべて2発(双発)機なので、エンジン数は機体数の2倍になる。

 さらに飛行機には、見えない箇所にもう1台小さなジェットエンジンを積んでいる。それが尾翼後部のシッポについているAPUと呼ばれるもの。シッポをよーく見ると丸い穴が開いているが、それがAPUの排気口だ。APUは駐機中にメインエンジンに変わって発電したり、圧縮空気を作ってメインエンジンのスターターの役割をする(APUのスターターはモーター)。

 エンジン整備センターでは、この機体の数だけあるAPUもメンテナンスするので、扱う自社エンジンは全部で500台以上もあるのだ。

ジェット機のシッポには、必ず穴が開いている。これがAPUと呼ばれる小型ジェットエンジンの排気口

 年間に整備するエンジンは83台ほど、APUは34台もあるという。月あたりにするとエンジンを7台、APUを3台という計算。しかもエンジンを完全にバラしてオーバーホールするとほぼ1ヵ月、ハイパワーなGE90系だと80日もかかるので、整備士270名で作業しても、エンジン整備センターはフル稼働だ。

 広大なフロアは、作業や特殊大型機械ごとに区分けされ、隣同士の壁はないものの、小さな町工場が何十軒も集まる感じになっている。さらにビルは数階建てになっていて、細かい部品に分解されると上階で整備されるようだった。

作業や部品によって、検査や修理に使う工具や工作機械、測定器が異なるので、小さな町工場が軒を連ねているようなイメージ

 ビル内にはエンジンを載せて昇降できる6畳間ほどあるエレベーターも設置されている。整備センターができたころには、どんなエンジンでも運べたが、予想以上にエンジンの大型化が進み現在は1階でバラしてからでないと、エレベーターに乗せられないエンジンもあるという。

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