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日本上陸(?)のスマホも続々発表! MWC 2014レポ 第18回

Nokiaはなぜローエンド領域にAndroidスマホを投入したのか?

2014年02月27日 11時00分更新

文● 末岡洋子

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なぜ今更、Androidなのか?
ローエンドにはWindows Phoneは不適なのか?

――Nokiaは、3年前にWindows PhoneかAndroidかの選択肢で、Windows Phoneを選びました。なぜ今、Androidを選んだのでしょうか? Windows Phoneではアプリのエコシステムが十分ではないという判断ですか?

 3年前に、我々、そしてNokiaの経営陣はモバイル業界でアプリケーションとエコシステムが重要になったという認識があった。当時はiOSかAndroidの2つしかなく、我々は同じことをする(=Android搭載端末を作る)、10番目、11番目のプレイヤーにはなりたくなかった。

 Nokiaはたくさんの人をコネクトすることをミッションにしている。差別化が必要と判断したが、Androidでは差別化は得られない。そこで3番目のエコシステムが必要という考えに至った。しかし、(それまで主要プラットフォームとして開発していた)MeeGoでこれをするのには時間がかかるし、一社では難しいと判断した。差別化につながる最善の方法は、Microsoftと一緒にやることだと判断した。今でもこの判断は変わっていないし、Nokiaにとって正しい判断だったと信じている。

 では、なぜ今Androidなのか。ローエンドスマホが急成長しはじめている。これまでスマートフォンはハイエンドが重要だったが、成長という点ではフォーカスはローエンドに移っている。

 アナリストの中には、ほかのセグメントと比べると4倍の成長率を見込むところもある。このように、ローエンドスマホが爆発しようとしており、ここでNokiaは活発に動く。3つの世界を組み合わせることで、ターゲットを明確に定めた。爆発が起こる途上国市場に、市場に適した製品を出す。Nokiaはずっと途上国市場で展開しておりブランド力はある。タイミングとしてはパーフェクトだと感じている。

 もう一つ、「X」にはブリッジの意味も込めており、ハイエンドとローエンドの橋渡しをするという位置づけだ。これが今後の成長に向けて重要な鍵をにぎるだろう。

 Microsoftのサービス、Nokiaのデザインなど、2社のよいところを組み合わせ、さらにAndroid用アプリが利用できる。これはポートフォリオアプローチだ。

――Ashaシリーズとの棲み分けは?

 価格だ。今回のAshaの新モデルは45ユーロ。誰もがスマホをもちたいと想定しているが、それが高価で手に入らないという人には、低価格でもフルのスマホに近いベストな体験をもたらしたい。これがAshaの位置づけで、Ashaは当然今後も継続する。Ashaの下のファーストフィーチャーフォンも継続する。

 Nokiaのモバイルデバイス事業部の戦略は、3セグメントのすべてで、その価格帯で最高のものを提供することだ。それに、(ローエンドであっても)Microsoftのサービスも必ず搭載する。

Nokiaならではのデザインと品質、MSのサービス
その組み合わせで中国製ローエンドスマホに対抗する

――ローエンドスマートフォンは各社の注目で、Firefox OSも25ドルを実現すると言っています。どうやって中国メーカーなどが製造する安価なAndroidスマホと対抗するのですか?

 Nokiaは価格では競争しない。我々の差別化は、その価格帯で、最も良いものを提供することだ。企業によっては同じ端末を安く製造するだけのところがあるが、我々のローエンドでのアプローチは3つの世界を組み合わせること。Android端末を提供する中国メーカーはアプリだけ(が魅力の要素)かもしれないが、我々はアプリに加えて、Nokiaの素晴らしいデザイン、最高の品質と使いやすさ、それにMicrosoftのサービスを得られる。Xシリーズはこの価格帯では群を抜いている端末になったと自信を持っていえる。

フラグシップ機と連続性を持ったデザイン、使い勝手、サービスを持った端末を、Androidを利用して新興国市場に投入する

――Xラインの今後の計画を教えてください。

 今回、ローエンドスマホが急成長するのをにらんで、新しいセグメントをスタートさせたところだ。大きなチャンスがあると感じており、真剣に取り組んでいく。3機種を発表したのは、我々が真剣であることの証拠だ。今後も積極的に展開していくが、端末の計画については現時点ではまだ話せない。

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