日本上陸(?)のスマホも続々発表! MWC 2014レポ 第6回
KDDIは端末開発を進行 楽天も対応アプリを公表
2014年はFirefox OS本格化! 25ドル端末も登場か!?
2014年02月24日 15時55分更新
よりリッチかつ、より簡単なOSの開発を進める
OS側の計画としては、もっとリッチに、もっと簡単に、がテーマとなる。たとえばWebベースのOSの利点を活かし、他のOSのネイティブアプリでは難しいアプリ内の検索が、Firefox OSでは端末とアプリ内のコンテンツをすぐに検索できるユニバーサル検索を強化する。「他のOSでは実現できない分野でのイノベーションが可能だ」とSuillivan氏。どの画面にいても上から下のスワイプ動作でユニバーサル検索にアクセスできるという。
このほか、マルチタスクをより直感的にするナビゲーション機能も強化していき、NFC対応、LTEサポートなども加えていく。MozillaがWebブラウザーであるFirefoxで用意することになっているログインサービス「Firefox Account」も導入予定となっている。これらに加えて、オペレーターや端末メーカーが、ホーム画面やアプリを追加するなどしてユーザーインタフェイスをカスタマイズできる点も差別化に挙げた。性能も日々改善しており、「スリークで直感的なスマートフォンOS」とSuillivan氏はFirefox OSの方向性を説明した。
市場も拡大する。数ヵ月以内にTelefonicaがアルゼンチン、コスタリカ、ドイツ、ニカラグアなど新たに8カ国で、Deutsche Telekomもチェコなど4ヵ国でFirefox OSを提供開始するという。これにより、市場は今年前半までに27に拡大することになる。地域的にはこれまで南米、東欧が中心だったが、2014年はアフリカとアジア市場にもフォーカスを拡大する予定だ。
オペレーターでの新しいパートナーとしては、Vodafone、インドネシアのTelkomselとIndosatの3オペレーターが加わったと発表した。これにより、Firefox OSを支援するオペレーターは20社を超えることになる。
アプリも確実に増加 楽天が参入
KDDIの関係者も会場に姿を見せた!
アプリ側では、Twitter、YouTube、LINEなどの人気アプリが揃っていることに触れる。「HTML5でちゃんとしたモバイルアプリケーションを使えるのかという懐疑論があったが、MozillaはWeb APIを作成し、これを標準にした。開発者はHTMLを利用してモバイル向けにアプリを開発できる。モバイルでのHTML5は(iOSやAndroidなどと並んで)定着した」とSuillivan氏は胸を張った。
ここではHTMLコードからiOSとAndroidアプリを生成できるモバイルアプリ開発フレームワーク「PhoneGap」との提携を発表、PhoneGapでFirefox OS向けアプリが簡単に行えるようにする。また、開発者向けのリファレンス端末「flame」も発表、これを利用してアプリの構築とテストを高速化できるという。
「現在世界を独占している2つのOSでは十分ではない」とSuillivan氏。「Webの原則を適用することで、Firefox OSは垂直統合ではなく、あらゆるレイヤーで競争ができる」とオープン性を説明、これがもたらすものは、「イノベーション、選択肢、ユーザーによるコントロール」と続ける。「Mozillaが抱くこのようなビジョンをパートナーと共有している」と述べ、パートナーとともにFirefox OSの勢いを加速させる野心をのぞかせた。
会場では、Firefox OSに参加している日本のKDDI、そしてアプリ開発側では楽天とリクルートの代表者の姿もあった。KDDIは2014年度中にFirefox OSを発売すると発表しており、これについて上月勝博氏(商品統括本部商品企画部商品戦略3グループリーダー)は、「第3のOSではなく、別物。Web志向の新しいことができるものとして出していきたい」と狙う位置づけを説明する。対象ユーザーはギークだという。「ハードウェアのスペックだけではなく、使い方、Webのオープン性など新しいことができるのではないかと期待している人」と定義した。現在のFirefox OS端末がローエンドであることについて「日本ではそのままローエンドを出すのは難しい」「日本のお客様が求める品質に応えるもの(を出したい)」とし、端末メーカーについては「名前は空かせないが、開発に入っている」とコメントした。
楽天はFirefox OS向けのアプリ「楽天ゲートウェイ」を、リクルートはカメラアプリ「cameran」を24日にリリースする。楽天の加藤雄一氏(編成部モバイル戦略課モバイルビジネス開発チームグループマネージャー)はHTML5であるため開発の生産性が高い、開発者がたくさんいるなどのメリットを挙げた。一方で、性能について聞かれると「若干は(不満が)ある」としながらも、技術力でカバーが可能な範囲だろうと楽観視した。

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