これからのキャンピングカーは
バッテリー搭載でエコに進化
キャンピングカーの車内で使う家庭用電化製品の電気を発電機で作るのは、停車時のアイドリングストップが当たり前の今のご時勢では違和感があるのは否めない。CO2問題に言及しないまでも、エンジン音や排気ガスで周りのキャンパーに迷惑がかかってしまう場合もあるだろう。
だからこそ、最近のキャンピングカーは停車時のエコ性能もかなり重視されている。
フィアットのモーターホームは、走行時にエンジン側からの電気を充電して利用するが、家庭用エアコンなど本格的な家電も使える20kwhという大容量のバッテリーを搭載する。
日産・リーフの走行用バッテリー(24kwh)で、一般的な4人家族が3日間生活できるというデータが公表されたことがあるが、このモーターホームではバッテリーの電気で家庭用電化製品をフル稼働させても2日はもつということになる。
“走行中にバッテリーを充電”といえばハイブリッド車を想像する方も多いだろう。「かーいんてりあ高橋」ではプリウスPHVをキャンピングカーに仕立てたものが展示されていた。こちらは電化製品用のバッテリーを搭載するのではなく、ハイブリッドの走行用バッテリーから家庭用100V電源を取り出すアダプターを装着している。
前述2台とプリウスPHVキャンピングカーの大きな違いは、バッテリーに充電する基本理論の違いだ。前述2台はエンジン駆動によってオルタネーターを回してバッテリーを充電するが、プリウスPHVの場合はそれに加えてブレーキ回生でも充電する。
例えば、プリウスPHVのバッテリーが空の状態で箱根ターンパイクの頂上からブレーキ回生だけ(つまり機械式ブレーキが作動していない状態)で下ってくれば、小田原の早川口料金所ではすでに満充電の状態。その間、エンジンはアイドリング状態なのでほとんどガソリンを使っていない。このような電気を使えるところが、ハイブリッド車がエコと言われる所以なのだ。また、家庭用の商用電力でも充電できるプラグインハイブリッド車であるプリウスPHVであれば、給電設備のあるキャンプ場での受電も可能だ。
趣味の世界のキャンピングカーも、電源確保の問題も含めてエコにシフトしているというのがよくわかる「ジャパン キャンピングカーショー2014」であった。