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マイクロソフト・トゥディ 第82回

約2兆5000億円の売上高—順調に変革を進めるマイクロソフト

2014年02月13日 11時00分更新

文● 大河原克行

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 米マイクロソフトが、先頃発表した2013年10〜12月期決算は、四半期としては過去最高の売上高となる前年同期比14%増の245億1900万ドル(約2兆5000億円)となった。また、営業利益は2.5%増の79億6900万ドル(約8152億円)となった。

エンタープライズ部門が全社売上高の半分以上

米マイクロソフトの次期CEO、サトヤ・ナデラ(Satya Nadella)氏

 部門別では、エンタープライズ(コマーシャル)部門が全社売上高の半分以上を占める前年同期比10%増の126億7000万ドル(約1兆2960億8000万円)となり、なかでも、サーバー製品は前年同期比12%増、コマーシャル向けOffice製品は10%増という高い成長を記録した。

 エンタープライズ部門は、新CEOであるサティア・ナデラ(Satya Nadella)氏の出身母体でもあり、売り上げだけでなく、名実ともにマイクロソフトを支える事業がエンタープライズであることを示すものになったといえよう。

 エンタープライズ分野におけるトピックにいくつか触れておくと、コマーシャル向けライセンス事業の売上高は前年同期比7%増の108億9000万ドル(約1兆1140億円)。そのうち、管理ソリューションである「System Center」は2桁の成長率を達成、「Hyper-V」は市場シェアを5ポイント上昇。Windowsのボリュームライセンスは10%増になったという。またクラウドサービスに関しても、107%の成長を達成した。

「Office 365」とハードが伸びたデバイス&コンシューマ(D&C)部門

 一方で、デバイス&コンシューマ(D&C)部門の売上高は前年同期比13%増の119億1000万ドル(約1兆2183億円)となったが、その内訳をみると、興味深い点が浮き彫りになる。

 D&C部門は、コンシューマ向けWindowsおよびOfficeのライセンスを扱う「D&C Licensing」、「Surface」やXboxなどのハードウェアを扱う「D&C Hardware」、ゲームソフトや「Bing」「Xbox Live」などのネットワーク関連ビジネスを扱う「D&C Other」に分類される。

 このうち、D&C Licensingの売上高は前年同期比6%減の53億8400万ドル(約5507億5629万円)と減少したのに対して、D&C Hardwareの売上高は68%増の47億2900万ドル(約4837億5306万)と大幅な増加となったのだ。

 D&C Licensingが減少している背景には、この領域に含まれるWindowsのOEMライセンスの減少がある。これは、前年同期比3%の減少という結果だ。

 ただ、これもよく見てみると、Windows Proの売上高は12%増となっており、non-Proと呼ばれる領域は20%減という結果。つまり法人系を中心としたWindows ProのOEMライセンスは伸びているという結果がでているのだ。

着実に進む「Office 365 Home Premium」への移行

 また、D&C Licensingの売上高減少のもうひとつの要因は、コンシューマ向けOfficeが、前年同期比24%減となっている点だ。実はこれにも理由がある。

 日本は対象外なのだが、米国市場などにおいては、コンシューマ向けのクラウドサービス「Office 365 Home Premium」が用意されており、ここに移行したユーザーの売上高が、これまでのD&C Licensing から、D&C Otherの項目へと移行し、D&C LicensingにおけるOfficeのライセンスビジネスが縮小傾向にあるという構図なのだ。

 同社でも、減少したうち16ポイントは「Office 365 Home Premium」への移行だと分析している。

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