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磁力は強くないとだめ。でも強いとセンサーが狂う

ThinkPad 8の開発者にしか、ThinkPad 8のカバーは作れない

2014年02月14日 18時00分更新

文● 貝塚怜/ASCII.jp編集部

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「初」のWindowsタブレットとはどういうことか!?

BYOD時代の、そして実は「初」のWindowsタブレット

—— デザイン的にもベゼルが狭くてスタイリッシュな感じがしますね。

加藤氏「デザインも、今回特別にこだわったポイントです。最近はBYOD(Bring your own device=個人所有の電子機器を職場に持ち込み、業務に使用すること)の流れがあるので、そんな時代背景に合う、『仕事用のガジェットとしてぜひ使いたい!』と思ってもらえるようなデザインに仕上げています」

—— これ、裏面の素材は……。

加藤氏「アルミですね。全面アルミです」

—— アルミですか! 好みもありますけど、樹脂と比べるとやはり高級感ありますよね。

内田氏「ただここでも問題が発生しまして……」

—— うーん、ビジネスパーソンのための、そして『開発者の方が悩みに悩む』ThinkPadシリーズですね。

加藤氏「そうなんです(笑)というのも、全面アルミにすると通信に影響が出がちなんですよ。今回はスピーカーの脇あたりにWi-Fiアンテナを搭載しているのですが、やはりそのまま搭載したのでは通信に影響が出てしまったので、この機種のためにチューニングをし直して、出力数を変えているんです。背面の一部を樹脂にすれば解決できる問題なのですが、やはり全面アルミのデザインにこだわりたかったので、微細なチューニングを繰り返してなんとか最適値を見つけ出しました」

背面カバーは全面アルミにしている

—— 見た目の美しさを追究するには、大きな苦労が必要なんですね……。

鄭氏「ええ。ThinkPadシリーズということで、堅牢性にも配慮しているので、何かと問題がつきまといましたね」

—— 堅牢性的にはばっちりですか?

鄭氏「はい、ばっちりThinkPad基準ですね。ちなみにThinkPad Tablet 2のときは、『重りをディスプレー上に落としても割れない』という点をウリにしていたのですが、ThinkPad 8の開発にあたって今一度、話し合いまして……」

加藤氏「実際の利用シーンを考えると、タブレットにかかる負荷って、『満員電車の中で鞄ごとぎゅっと押される圧力的なもの』だったり、『端から垂直に落下した場合の衝撃』だったりしますよね」

—— はい。

加藤氏「なので今回は、フチの部分に硬質ラバーを使うなどして、そういった力により強い設計にしているんです」

—— 新たな強さを手に入れたわけですか! “最強のWindowsタブレット”なだけありますね。スペックだけでなく、文字通り強くもある。

内田氏「ええ。タブレットチーム初の製品としてThinkPad 8が作れて、よかったと思います」

—— ……初?

加藤氏「ThinkPad Tablet 2までは、ThinkPadのチームが開発を手がけていたのですが、やはりタブレットにはもっと注力すべきだろうという話になり、タブレット専属のチームが立ち上げられたんです。ThinkPad 8はそのチームが手がけた一番始めの製品ですね」

—— そういうことだったんですか! 見た目にも中身にも妥協しない、ThinkPadらしいタブレットができあがりましたね!

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