ランニングコストも気になる点
ココドリの本来のアドバンテージはやはりグラフィックエリアのキャプチャー印刷でなければ意味がない。実際に腕時計の写真をキャプチャーし、印刷プレビューの画面で、時間をかけていろいろ調整すれば、感熱式プリンターのモンクロ2値とは思えない見栄えのある出力は可能だ。
ワンクリックで画面上のほしいエリア情報を即座にメモ印刷してくれることがお望みのユーザーなら、ココドリは向いていないかもしれない。
一方、システムノートやショットノートを愛用していて、小まめに整理整頓が好きなユーザーで、綺麗に整理するためなら多少の手間暇はいとわないという時間持ちのユーザーには、調整の楽しみもあり最適な道具かもしれない。
しかし、感熱紙という素材の関係で長くは保存できないという課題と、1ロール(4m)525円という(実売)価格から、見やすくするために太っ腹で印刷した長さ20cmほどのメモに25円近辺のランニングコストが必要となる点が残念だ。
もっとスピーディーにクリップできたら……
ココドリのおかげで、節約者である筆者の母親が常に愛用していた「新聞チラシを切り揃えた究極のメモ」の本質を再び考えるいいきっかけとなった。
世の中は右を向いても左を向いても、スマホ時代、クラウド時代だが、PC画面をキャプチャーしたデータをスマホに送ったり、クラウドに保管したりする以外に、メモとして印刷する機能、そして印刷したメモを再度スマホのカメラ機能で撮影して取り込む機能……といった少し風変わりな需要があることも事実だろうとは思う。
だが、筆者に必要なのは「クイック&ダーティー」でもいいのでスピーディーなことだ。
プリンターの解像度能力の限界があらかじめ分かっているなら、印刷出力が読めなくなるほどの大きなデータを詰め込まないように、PC画面上のクリップ指定エリアに上限があってもいいかもしれない。
カンに頼る、慣れに頼るのではなく、クリップしたらなんの調整もなく必ず読める出力を約束できる、ぐーたらな人向きの第二弾を期待したい。
今回の衝動買い
アイテム:クリップ専用プリンター「ココドリ」
価格:キングジムストアにて1万4700円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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