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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第340回

OM-D E-M1で撮る白銀の世界を歩く猫

2014年01月31日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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白銀の中では明るく撮るよう心掛ける!

 雪国で猫を撮るときのコツは……明るく撮ること。

 カメラは全体の明るさを見てバランスを撮ろうとするので、雪景色はちょっと暗めに写ることが多いのだ。どよんとした写真にしたいならともかく、猫を明るく撮りたいなら常にプラス補正を意識するべし。そうすると真っ白な背景に猫が映える。

 次に猫を見かけたときは、もう雪が止んでいた。

 その猫は首輪をしてた。

 狭い路地を歩いてたら、遠くを歩いてたのだ。

おうちに帰る首輪つき猫。雪の日でもお散歩するらしい(2014年1月 オリンパス OM-D E-M1)

おうちに帰る首輪つき猫。雪の日でもお散歩するらしい(2014年1月 オリンパス OM-D E-M1)

 飼い猫だから少しは人なつこいかなと思ったら、そんなに甘くはなく、カメラを構えてる間にとことこと歩いていってしまったので後ろ姿を。

 住宅街なので人が歩くところは雪かきされており、猫もそこを歩いているのがわかる。

 飼い猫は家から出ないかと思ったら、こうやって雪の中を出歩いたりするのですねえ。

 午後遅く、ひととおり雪景色を撮り終えてのんびり歩いてたら「にゃあ」と声がする。猫の声である。

 どこにいるのだろうとキョロキョロしたら、フェンスの向こうで鳴いているのを発見。目が合うと、逃げもせず、こっちをじーっと見てる。

フェンス越しに猫を発見。しばし見つめ合うの図(2014年1月 オリンパス OM-D E-M1)

フェンス越しに猫を発見。しばし見つめ合うの図(2014年1月 オリンパス OM-D E-M1)

 フェンス越しなのでどうしても緑の線がかぶっちゃう。

 フェンス脇には雪がどかっと積もってたのだけど、構わずザクザクと入っていくが、猫は逃げないで何度も鳴くのだ(前ページ冒頭写真)。人を怖がってないのか、間にフェンスがあるから安心なのか。おかげでアップで撮れました。美猫です。

 なんだろう、おなかがすいたのかな、と気になってしばらく見ていると、どうやら飼い主を呼んでいたらしい。

 近くの駐車場で猫を呼ぶ声がすると、とことこと雪の中を歩いて行ったのだ。

 もしかして私が近くでカメラ構えてたから、動くに動けず困ってたのかも。だとしたらすまん。

雪の中を急ぎ足で。雪の中を一目散である。毛がふかふかしててあたたかそう(2014年1月 オリンパス OM-D E-M1)

雪の中を急ぎ足で。雪の中を一目散である。毛がふかふかしててあたたかそう(2014年1月 オリンパス OM-D E-M1)

 駆けていく猫の先には車でやってきた年配の女性がおり、地域猫を世話してる人かなと思いきや、そうではなく、近所の小料理屋の女将らしい。彼女が開店準備にやってくる時間を見計らって到着を待ち、一緒にお店に入るのが日課のようだ。

 私の視線を気にしつつ、彼女についてとことこと歩き、店の前で鍵が開けられるのをじっと待っていた。

 きっと、暖房が効いた小さな店でごはんを食べながらぬくぬくと開店を待つのだろう。

 さすがにそんな時間までいると私が帰宅できなくなるので、猫と一緒にお店にはいる女将に会釈して、東京に戻ったのでありました。

 雪国でも猫はたくましく生きております。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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