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注目は最強のアプリ、NAMMショーのベストバイを掘り下げる

2014年01月30日 17時00分更新

文● 四本淑三

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ワイヤレス接続対応のギターアンプ「Line6:AMPLIFi」

AMPLIFi

 「ギターアンプを再発明」という触れ込みで発表された「AMPLIFi」でしたが、要するにギター用のモデリングアンプが付いた、でっかいBluetoothスピーカーでした。しかし、この方向はアリだと思います。Bluetoothスピーカーで音楽を鳴らしながら、ギターを弾くというのが日常になっているので。Bluetoothはサポートしないものの、VOXの新製品「SOUNDBOX mini」もそんな感じのコンセプトの製品でした。

SOUNDBOX mini

 AMPLIFiは、Bluetoothで接続するついでに、モデリングアンプのコントロールもiOSアプリでやってしまおうというもの。音色の共有もネット経由でいうクラウド対応型ギターアンプになっております。再生している曲に合わせて、ギターアンプのセッティングを変える「トーンマッチング・テクノロジー」というものもあるそうで、これは実際に試してみたいところ。

 3月末の発売予定で、150W出力の「AMPLIFi 150」が5万3500円、75W出力の「AMPLIFi 75」は4万2500円ということで、結構お安い感じです。

ストンプボックスの定番が小さくなって登場
「Electro-harmonix:Nano Big Muff Pi/Satisfaction Fuzz」

Nano Big Muff Pi

 モデリングアンプも便利なんですけど、やっぱりホンモノの真空管のギターアンプの音にはかなわんなあ、というのがここ最近の個人的な感想です。足元もマルチエフェクターをエディットするより、アナログのストンプボックスをワイヤリングした方が楽しい、ちょっと重いけど。そう思っております。

 そのストンプボックスにも歴史的定番というのがありまして、そのひとつが「Big Muff」であります。いわゆるFuzz(ファズ)。めいっぱい歪むやつです。

 これを作っているElectro-harmonixという会社は、NYCでエフェクターの生産を続けておりまして、途中紆余曲折いろいろあったものの、最近はこのBig Muffを復活させ、メタル寄りのものとかベース用とか、さまざまなバリエーションを構築しております。個人的な需要で言うとロバート・フリップのアノ音を出すために、この手のエフェクターは何かしら持っておきたいところ。

 その最新版が「Nano Big Muff Pi」。ナノなのかビッグなのかはっきりせいという感じですが、Big Muffという商品名がFUZZの代名詞化しているので、これは仕方ありません。しかし、Electro-harmonixというと、無駄に大きな薄いアルミの箱というイメージだったので、小さいのはイメージに合わねえなあ、とは思います。これの前にも「Little Big Muff」という小型化した製品がありましたが、ギリギリまだアルミの薄い箱でした。

 このNano Big Muff Piは、キャストボディーで、当たり前のコンパクト・エフェクターのサイズ。エフェクトボードに置くのも楽ちんですが、全然エレハモっぽくない。でも、音はBig Muffそのものなので、ありがたく使わせていただこうかなと思っております。

 もうひとつ、NYCの開発者のおふざけかもしれませんが「Satisfaction Fuzz」というものも出ています。これはBig Muffをがっつりローカットした感じの音で、ストーンズのあの曲のリフの音が踏むだけで出ます。だから何だと言うのでしょうか。でもいいんです。モデリングやシミュレーターでもないところが、ちょっとしたギャグのようで楽しい。

Satisfaction Fuzz

ブリッジサドル部に付けるギター用サスティナー
「Keith McMillen Instruments:StrongArm Sustainer」

Keith McMillen Instrumentsの製品紹介サイト

 キース・マクミラン インストゥルメンツというと、MIDIコントローラーで有名な会社で、今回も「QuNexus」というMIDIコンを発表しているのですが、弦楽器のアタッチメントもやっているんですね。その会社が開発中のギター用サスティナーが「StrongArm Sustainer」です。減衰するのが必定の弦の振動を電気的に自足させようというもの。

 ギターのサスティナーというと、電磁誘導で外側からコントローする「E-BOW」という製品や、ギターのピックアップに取り付けるタイプなどいろいろありますが、ギターのブリッジサドル部分を交換して装着するタイプは初めて見ました。動画を見る感じでは、かなりピーキーな特性のようで、少々コントロールが難しそうですが、これは注目したいところです。



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター、武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。インターネットやデジタル・テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレ。

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