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写真で内部もチェック

4G化の計画もあり! 新ThinkPadに見る炎上を恐れない(?)進化

2014年01月28日 22時16分更新

文● ASCII.jp編集部

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既発売のMiix 2 8やYOGA TABLET 8と並べたレノボ製8型タブレット

 レノボ・ジャパンは1月28日、ThinkPadの新機軸となる新製品3機種を発表した。

 レノボ・ジャパンのThinkClient Brand Managerを務める土居 憲太郎氏は、会見でダーウィンの進化論を引用。それを踏まえて「最も多く売れているモノが生き残るのではなく、最も長く売れているモノが生き残るのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化できるモノである」(ケンタロウ・ドイ)とした。

 ThinkPadシリーズは時代に適したものをこれまでもいち早く導入してきたとして、タブレットや2in1といった新しいデバイスの普及、マルチデバイスを状況に応じて使い分けることが求められる時代で最適解を今後も追究していくという。

進化のために炎上を恐れてはいけない

いや、こっちが本当

 一方、製品事業部 ThinkPad製品担当の吉原 敦子氏も「時代と環境の変化に応じてThinkPadもブラッシュアップしないといけない」と話す。会見では「新しいThinkPad X1 Carbonはモバイルの王」と表現。新開発のAdaptiveキーボードをはじめとした、新しいものづくしの製品であり、「ThinkPad 701以来の進化」であるとした。

 またThinkPad 8については、「片手に入るThinkPad」と命名。8.3型とスマホよりも大きな画面だが、女性でも片手で持つことができ、つり革などにつかまりながら、もう一方の手で操作することもできるとコメント。さらに4G/LTEのサポートを検討中である点にも言及した。1920×1200ドットのディスプレーは、スマホよりも画面サイズが大きく、Officeの閲覧だけでなく編集にも十分に活用できる。

Miix 2 8よりも画面サイズが若干大きい(16:9に対して16:10のため)が、幅はほぼ同等となっており、縦位置で片手で持てる。

ベゼル幅が狭く、本体も薄型。

クイックショットカバーのラフスケッチ

 またクイックショットカバーを用意し、タブレットで撮影した画像を添えたリッチな報告書が手軽に撮影できる点も強調した。

分解したところ。内部の大半をバッテリーが占める。

マイクロHDMI端子

バッテリー容量は21Wh

 大和研究所でデザイン/ユーザーエクスペリエンスを担当する高橋 知之部長は、「かえるための変化ではない。(新しい)ライフスタイルのユーザーもThinkPadに取り込んでいく」とコメント。新しい世代、PC以外のデバイスにも関心が高い層、そして従来からのThinkPadの愛好者のいずれにも評価されるThinkPadを作るため、広範な調査を実施したとした。

プロ仕様と使い手が望むデザインとの間にある課題とは?

 その一例としてあげたのがFnキーと機能ボタンのシルク印刷。ThinkPadは、これまでビジネスで活用するプロ仕様のノートパソコンとして、Fnキーとそのコンビネーションで入力する各種機能(スリープや無線LANのオン/オフ)などを目立つ青いとし、さらに統一してきた。これは確実な操作性と機能の係わり合いを明確にするためで、確実な操作性が第一のプロの現場としては、目立つことは重要だと考えたたためだ。しかし、多くのユーザーにヒアリングした結果、日常生活では過剰と判断され、ここ数年で発表されたThinkPadではほかのキーと同色の白などで表現している。

新世代のThinkPadが目指したデザイン面での目標

 さらにシンプルでモダンなデザインを目指し、上質な黒 漆黒から黒でも温かみのあるふうあいやツヤなどを表現する方向にデザインを変えてきているという。

 アルミ仕上げの筐体を採用したThinkPad 8のデザインはその恒例だが、既存のThinkPadで培ったデザイン要素を改善し、使いやすさを増していく工夫も取り入れている。液晶ディスプレーが180度まで開くというのは過去のThinkPadから引き継いできている特徴だが、新しいThinkPad X1 Carbonでは、机の上に置いた際にディスプレー部分も接地するなど細かな配慮を加えた。

新しいThinkPad X1 Carbonの内部を見ると基板が占める面積が少なく驚く。

ディスプレー部分の裏側。3本の線はアンテナに引き出されるWANや無線LAN用のフラットケーブル

メイン基板

展示機では無線LANカードやSSDに加え、WAN用のカードも装着されていた

CPUクーラー

タッチパネルつきの液晶パネルだが非常に薄型

Ethernet用の出力端子はHDMI端子と同じ別基板上にある。写真の変換ケーブルを介して有線LANに接続可能

 ThinkPad X1 Carbonは最上段のファンクションキーをタッチセンサーとしたことで、DeleteキーやEscキーが下の段に移動している。そのためキーボード配列は特殊な部分(BackSpaceとDeleteキーが横に並ぶ、「¥」がカーソルキーの左にあるなど)が生じてしまうが、使用頻度が高く多くのユーザーが見ないで打つキーは絶対に変えないが、「¥」のように使用頻度が低く、位置を目で見て確認するキーは場所を変えても許容されるのではないかなど、テスト結果から得た結論に沿って決定しているという。

 ThinkPadにおける変化するものと、変わらないもの。今回発表された3製品はそれを体現する好例となるだろう。

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