レノボ・ジャパンは1月28日、ThinkPadの新機軸となる新製品3機種を発表した。
レノボ・ジャパンのThinkClient Brand Managerを務める土居 憲太郎氏は、会見でダーウィンの進化論を引用。それを踏まえて「最も多く売れているモノが生き残るのではなく、最も長く売れているモノが生き残るのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化できるモノである」(ケンタロウ・ドイ)とした。
ThinkPadシリーズは時代に適したものをこれまでもいち早く導入してきたとして、タブレットや2in1といった新しいデバイスの普及、マルチデバイスを状況に応じて使い分けることが求められる時代で最適解を今後も追究していくという。
一方、製品事業部 ThinkPad製品担当の吉原 敦子氏も「時代と環境の変化に応じてThinkPadもブラッシュアップしないといけない」と話す。会見では「新しいThinkPad X1 Carbonはモバイルの王」と表現。新開発のAdaptiveキーボードをはじめとした、新しいものづくしの製品であり、「ThinkPad 701以来の進化」であるとした。
またThinkPad 8については、「片手に入るThinkPad」と命名。8.3型とスマホよりも大きな画面だが、女性でも片手で持つことができ、つり革などにつかまりながら、もう一方の手で操作することもできるとコメント。さらに4G/LTEのサポートを検討中である点にも言及した。1920×1200ドットのディスプレーは、スマホよりも画面サイズが大きく、Officeの閲覧だけでなく編集にも十分に活用できる。
またクイックショットカバーを用意し、タブレットで撮影した画像を添えたリッチな報告書が手軽に撮影できる点も強調した。
大和研究所でデザイン/ユーザーエクスペリエンスを担当する高橋 知之部長は、「かえるための変化ではない。(新しい)ライフスタイルのユーザーもThinkPadに取り込んでいく」とコメント。新しい世代、PC以外のデバイスにも関心が高い層、そして従来からのThinkPadの愛好者のいずれにも評価されるThinkPadを作るため、広範な調査を実施したとした。
その一例としてあげたのがFnキーと機能ボタンのシルク印刷。ThinkPadは、これまでビジネスで活用するプロ仕様のノートパソコンとして、Fnキーとそのコンビネーションで入力する各種機能(スリープや無線LANのオン/オフ)などを目立つ青いとし、さらに統一してきた。これは確実な操作性と機能の係わり合いを明確にするためで、確実な操作性が第一のプロの現場としては、目立つことは重要だと考えたたためだ。しかし、多くのユーザーにヒアリングした結果、日常生活では過剰と判断され、ここ数年で発表されたThinkPadではほかのキーと同色の白などで表現している。
さらにシンプルでモダンなデザインを目指し、上質な黒 漆黒から黒でも温かみのあるふうあいやツヤなどを表現する方向にデザインを変えてきているという。
アルミ仕上げの筐体を採用したThinkPad 8のデザインはその恒例だが、既存のThinkPadで培ったデザイン要素を改善し、使いやすさを増していく工夫も取り入れている。液晶ディスプレーが180度まで開くというのは過去のThinkPadから引き継いできている特徴だが、新しいThinkPad X1 Carbonでは、机の上に置いた際にディスプレー部分も接地するなど細かな配慮を加えた。
ThinkPad X1 Carbonは最上段のファンクションキーをタッチセンサーとしたことで、DeleteキーやEscキーが下の段に移動している。そのためキーボード配列は特殊な部分(BackSpaceとDeleteキーが横に並ぶ、「¥」がカーソルキーの左にあるなど)が生じてしまうが、使用頻度が高く多くのユーザーが見ないで打つキーは絶対に変えないが、「¥」のように使用頻度が低く、位置を目で見て確認するキーは場所を変えても許容されるのではないかなど、テスト結果から得た結論に沿って決定しているという。
ThinkPadにおける変化するものと、変わらないもの。今回発表された3製品はそれを体現する好例となるだろう。