4月に導入される消費税の改定に向けて、大きな買い物では住宅なども含めて購入を急ぐ機運が高まっている。いわゆる駆け込み需要というやつだ。
今のうちに買ってしまいたいお買い得――ただ安いだけでなく、価格の割に性能がいいおススメ製品の数々を紹介していくこの特集。第2回目となる今回はオーディオ&ビジュアル製品だ。
オーディオ製品は今年も“ハイレゾ音源”に注目が集まり、さらに人気が高まりそうだが、基本的には製品のライフサイクルは長めで、毎年のように新製品が投入されるというものではない。
そのため、製品価格の下落も穏やかだ。つまり、もうちょっと待てばもっと安くなるというわけではないので、ほしい製品があるならば消費税が改定になる前の今買ってしまった方がお得と言える。
ハイレゾ対応オーディオプレーヤーも2万円台!
ウォークマンのエントリーモデルがお買い得
オーディオ製品でまず紹介したいのが、ハイレゾ対応ウォークマンの「NW-F885」。最安値ベースで2万3000円前後と発売時から値段があまり落ちていないが、内蔵メモリー16GBのハイレゾ対応オーディオプレーヤーとしては低価格と言えるだろう。
ウォークマンといえば、オーディオ回路や電源を強化したハイエンドモデルの「NW-ZX1」(実売価格7万5000円前後)に人気が集まっているが、さすがに高価で誰にでもおすすめしにくい。
NW-F885は、ハイレゾ音源の超高音域再生に対応したデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載。オーディオ出力回路は左右とプラスマイナスをそれぞれ独立させた4つの電源を採用するなど、基本的な設計はNW-ZX1と同様になっており、価格に対してのポテンシャルがかなり高いモデル。
もちろん、ハイレゾ対応の音楽再生だけでなく、Android採用モデルなので動画/静止画の再生やWi-Fiを使ったメールやブラウザー、さまざまなAndroidアプリも手軽に利用できる。
しかも、NW-ZX1では省略されているFMラジオやノイズキャンセル機能まで盛り込まれており、むしろ機能面では優位にあるモデルと言える。
肝心の音質だが、音数が多くキメの細やかな再現をするタイプ。音の感触がナチュラルで聴きやすいサウンドになっている。アコースティック楽器の音色の自然さ、ボーカルのニュアンス豊かな表現などが上手だ。
付属のイヤホンを使ってノイズキャンセル機能も試してみたが、室内では案外動作音が大きいガスファンヒーターの送風音をしっかりと低減し、持ち前のきめ細かな音がしっかり楽しめた。室内のほか、電車内、飛行機と場所に合わせたノイズ低減モードが選べるので、出先で快適な音を楽しむ人には、ノイズキャンセル機能は便利だろう。
惜しむらくは、低音の伸びやパワー感がやや控えめで、ロックやポップスを大音量で元気よく鳴らそうと思うと、軽快ではあるがちょっと頼りなく感じになる点。これについては、安価なことを活かしてポータブルヘッドホンアンプを組み合わせるという手がある。
低音再現やパワー感を補ってくれるポタアンを吟味すれば、NW-ZX1に迫る音が得られるし、自分の好みに合った音質にできるという面白さもある。
機能的なお買い得度はもちろんだが、余った予算をグレードアップに回せるという意味でも実にコストパフォーマンスが高い。そして、ハイレゾ対応ウォークマンは、直接音楽配信サイトにアクセスしてハイレゾ楽曲の購入ができ、そのままハイレゾ再生が楽しめるのも利点。PCなども不要で手軽にハイレゾ音源を楽しめるので、これからハイレゾを楽しみたいという人にもおすすめできる。
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