後半では「島嶼防衛」の訓練を実施
「各種航空機からの効果展示」に続いては、日本領土の離島に侵攻してきた敵国の部隊を排除、離島を再確保するという戦闘を想定した訓練展示を実施した。訓練展示は「情報収集」「空挺作戦」「ヘリボーン作戦」「3戦力合一」「離島確保」からなる5つに分けられていた。
まず、侵攻してくる敵の部隊の規模などを洋上で把握するための哨戒飛行を海上自衛隊のP3-Cが実施。続いて、上陸した敵部隊の情報を収集する航空偵察を、陸上自衛隊のLR-2が実施して「情報収集」から始まった作戦展示は、第1空挺団が次々と降下を行なう「空挺作戦」へ。
ちなみに実践を想定した訓練ということで、空挺降下の前に護衛艦の艦砲や航空火力による砲撃と爆撃を行ない、降下地域に展開する敵を制圧したという設定だ。空挺降下は、地上約1400mから自由降下用落下傘MC-4を使用した「事前潜入部隊の降下」から。高高度からの降下は、酸素マスクなどの装備を使用することで最大高度1万メートルからも降下が可能で、東京湾の横断も可能な約25kmを滑空できる性能となっている。
今回の作戦では離島への潜入を想定しているため、通常の装備ではなく海上へ降下することを前提でウエットスーツを装備しての降下になっていた。
無事に敵地に潜入した事前潜入部隊に誘導され、C-1×2機、C-130×1機の3機から各2回ずつ合計40名がパラシュート696MIに身を預けて空挺降下を実施したほか、CH-47Jから4梱の“軽物料投下”も行なわれた。地上に降り立った隊員たちは、直ちに敵との戦闘に備えて部隊を展開。接近してくる敵警戒部隊を対戦車火器と構築した64式81mm迫撃砲陣からの砲撃によって撃破し、「空挺作戦」を完了。