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マイクロソフト・トゥディ 第79回

ITで人材を生かし、企業を活性化する—日本MS 樋口社長・パソナ南部代表対談

2014年01月23日 21時00分更新

文● 大河原克行

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ITによって、ワークスタイルは大きく変る

樋口 ITによって、ワークスタイルはどう変わりますか。

南部 大きな変化を生み出します。在宅で仕事をすることもできますし、子育てをしながらとか、介護をしながらでも仕事ができるようになります。4時間だけ働くというように、様々な形態で働くことができる。従来の仕組みのままだと、仕事を辞めなくてはならないが、ITを活用した新たな雇用形態であれば、仕事が続けられるということもある。

 私の仕事をサポートしてくれていた社員の親が脳梗塞で倒れ、山口県の実家に帰らなくてはならなくなった。しかし、ITを活用することで、会社を辞めずに実家に帰ることができ、実家で仕事ができるようになった。これは私にとっても、会社にとっても、どれだけ生産性を上げることにつながるか。優秀な人材を退職で失うということがなくなるのです。こうした仕組みを、これまでに退職したパソナのすべての社員にまで広げたいと思っているんです。

樋口 日本マイクロソフトでも、在宅勤務やテレワークを積極的に推進しています。東日本大震災時の経験から緊急時にも在宅で仕事ができるような環境を実現しています。実際、BCP(事業継続計画、Business Continuity Plan)の訓練も兼ねて、全社員を対象に原則在宅勤務とした「テレワークの日」を実施し、2500人の日本マイクロソフト社員がノートPCやスマートフォン、タブレット端末などを用いて、在宅勤務や、出先での業務を遂行するといった取り組みも行なっています。こうした成果は勤務形態や雇用形態の変革にもつながると考えています。

南部 先日、日本経済新聞社が実施した「人を活かす会社」調査で、パソナグループは総合6位、ダイバーシティ経営の項目においては1位となりました。女性が働きやすい人事制度などが評価されたといえますが、そのベースにはITの利活用が不可欠です。家で働いてもいいし、介護のために実家に帰らなくてはならないという場合にも、籍を置いたまま帰ることができ、仕事が遠隔地からできるようになる。これはすごいことです。来年は、ダイバーシティの項目で「超」1位になりますよ(笑)。誰もが、いつでも、好きな仕事を、好きな場所でできるというのは、パソナの企業理念そのものなんです。

樋口 ITによって人材が生かされ、企業を活性化することにつながるわけですね。そして、それを実行しているのがパソナグループということになります。南部さんとお話して、ITが社会にとって、企業にとって、そして人の雇用にとって重要な役割を果たしていることを改めて実感できました。


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