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ソニー、AV開発に使う音響解析技術を活用したテニス向けデバイス発表

2014年01月20日 20時30分更新

文● ASCII.jp編集部

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Smart Tennis Sensor

 ソニーは1月20日、プレイヤーのショットを分析し、スマホやタブレット上に結果を表示する、テニスプレイヤー向けセンサーデバイス「Smart Tennis Sensor(以下、スマートテニスセンサー)」を発表した。発売は5月下旬を予定とのこと。

 スマートテニスセンサーは、対応ラケットのグリップエンド部に装着して使う、ラケット装着型の機器だ。打ったその場でショットの分析をし、iOS/Android向けアプリに表示する仕組み。分析するデータは、ショット数/インパクト位置(ラケット上でボールを捉えた位置)/スイングの種別/スイング速度/ボールの速度(初速)/ボールの回転など。スイングの種別はフォアハンド、バックハンド(ともにスピン/フラット/スライス/ボレー)、オーバーヘッド(スマッシュ、サーブ)を分析可能だという。デバイスからスマホアプリへのデータ転送はBluetoothを経由する。

 発表に際し、ソニー株式会社 業務執行役員の古海氏は「CESでは『Play』というキーワードを中心にいろいろな提案をした。Playというのは、Play MusicやPlay Sportsなど、非常に広がりのある言葉だと思っており、ソニーはそういった音楽やスポーツなどに広がりを持たせ、いろいろな体験をお客様にご提供したいと考えている。本日はその『Play Sports』という切り口で、スマートテニスセンサーを紹介したい」と述べた。

「テニスというと、自分がどのようにプレイしているのかを客観的に見て、分析した情報をなかなか取るのが難しい。そこでソニー独自の技術を盛り込み、自分のテニスプレイを見る、盛り上がる、そして楽しんでもらう体験を手伝いたい」と語る古海氏

ソニーオーディオチームの知見を用いた新技術搭載

発表会で商品の説明をした中西吉洋氏いわく「テニスが好きなエンジニアが言った『データが取れたらもっと面白いのでは?』一言から始まった」と開発の始まりを語ってくれた

 スマートテニスセンサーには2つのセンサーが搭載されている。ひとつは振動を解析する「振動センサー」。もうひとつは人の動きを解析する「モーションセンサー」だ。

 振動センサーはラケットにボールが当たる際、その振動を波形を解析し、ラケットのどの部分にボールが当たったのかを表示するためのもの。この振動解析技術は、ソニーのオーディオ機器担当チームが商品開発で培った音楽音響解析技術を応用したものだという。

 モーションセンサーは加速度と角度を解析することで、ラケットをどのようにスイングしたかを認識する。この2つのセンサーが取得したデータをスマホ側で分析、閲覧できる仕組みを取っている。また、取得したデータはクラウド上に蓄積されるので、IDを入力すればスマホが変わっても閲覧は可能。

一瞬の動きと一連の動きを2つのセンサーで認識している

 さらに、アプリ起動時にカメラモードにし、プレイを撮影すればボールを打ったときのデータと映像を同時に再生する機能も付いている。見たいスイングを選別、ダイジェスト再生にも対応しているので、ショットを打つときのフォームを確認する際に役立つだろう。

スマホアプリを起動するとTLのようにプレイしたデータが表示され、タップすると日ごとのショット数やショットの種別、さらにショットの種別をタップすると詳細情報が見られる

アプリに送られたデータはFacebookへシェアも可能

サイズは直径31.3mm、高さ17.6mm。重さは約8gで、プレイへの影響を抑えたサイズと重さにしたという。なお、本体にはメモリーが内蔵されており、約1万2000球までのデータは本体側で保存が可能とのこと

発表会ではデモプレイも

本体のバッテリー駆動時間はスマホと連動時で約90分ほど。付属のクレードルに付ければおよそ90分ほどで充電完了。給電はクレードルにmicroUSBを差せばOK

ラケット装着時にクレードルを使えばカンタンにデバイスの取り外しができる。女性でも力を入れることなく脱着可能にするための配慮だ

 現時点では、スマートテニスセンサーに対応しているラケットは、ヨネックス社製の「VCORE Tour G」「EZONE Ai 98」など6製品。対応ラケットについては今後も増やしていく予定とした。また、本体価格は市場推定で1万8000円前後とのこと。

 今回、発表の最後に古海氏は「ソニーはCESにて、お客様の日常体験をさまざま面で可視化し、お届けする体験ベースの商品、“スマートウェア商品群”と、それに付随するライフログアプリケーションを発表した。今回のデバイスもスマートウェア商品群のひとつとして位置づけ、将来的にはライフログのアプリに連動、さらなる深い分析、体験を継続的に展開していく予定」とした。

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