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業界人の《ことば》から 第74回

液晶一本打法からの脱却を考えるシャープ

2014年01月22日 09時00分更新

文● 大河原克行

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「文化を変える」から「良い文化を創る」へ

 行動変革宣言は、カードの形として一人一人が携行することになる。

 表面には、「私たちは、中期経営計画を完遂し、シャープを再生と成長に導くため、経営理念および経営信条に則り、自らの行動変革を宣言します。この宣言の下、一人ひとりが不退転の決意で自分の仕事に誇りと責任を持って行動します」と書かれている。そして、裏面には、誠意、創意、和、勇気、礼儀、再生に向けてという6つの項目における考え方を示すとともに、最下部には自らの行動変革宣言を、それぞれに書き込むという形になっている。

 そこに高橋社長自らが書き込んだ言葉は、「『文化を変える』から、『良い文化を創る』へ」であった。

 「文化を変える」というのは社長就任時に、高橋社長が打ち出した言葉であった。しかも、それを高橋社長は「おかしな文化」、あるいは関西弁を交えて「けったいな文化」と表現していた。

 「シャープの常識は、世間の非常識ということが多々あった。おかしな文化は社長を含む全社員のなかにある。この年初に、意識を変えることで、おかしな文化の変革に取り組もうと、社員に訴えた」とする。

 「おかしな文化」とする具体的事例としては、社内向けの報告や根回しの機会が多いこと、経営会議や取締役会が全員同じ部屋に揃って会議をすることが前提で、テレビ会議を用いた会議は行われていなかったことなどを指す。そして、減点主義が基本となっており、失敗しても挑戦し、評価される風土がなかったことも、おかしな文化のひとつだと高橋社長は指摘する。

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