クロームに押されるウィンドウズ
次期CEO選びに加えて、同社の看板製品であるウィンドウズを採用したパソコンも苦戦している。米調査会社のガートナーが発表した2013年第4四半期(9月~12月)のパソコンの世界出荷台数は8263万台と、2012年同期比で約7%減。国内に目を向けても、2013年上半期(4月~9月)の出荷実績は498万台と、2012年同期比で約9%減だ(ただし7~11月は回復基調。数字はJEITA調べ)。
「パソコンが売れていないといってデータ上の数字だけ見せられても」と感じるかもしれないが、この事実を如実に表した現象が米アマゾンで起きている。
下の画面は、1月17日にキャプチャした米アマゾンの「Laptops&Tablets」の「Best-Selling Laptops」だ。上位6台のうち、ウィンドウズノートはエイスースの2台だけ。1位と2位を含め、残りの4台はなんとクロームOSのノート(クロームブック)なのだ。
クロームOSはグーグルが開発・配布しているOSで、スマートフォンやタブレット用OSのアンドロイドと同様にライセンスは無料。ブラウザーのグーグルクロームをインターフェースにさまざまなウェブサービス(ウェブアプリ)を利用するように設計されている。ランク入りした上位2台の仕様を見ると、メモリーは2GBでストレージは16GB。一般的なウィンドウズノートに比べると非力だが、非常に安価で、どちらも200ドル(約2万1000円)以下で買える。メールと検索、簡単な文書作成ならグーグルのサービスだけで事足りる。有名ブランドのタブレットより安く、キーボードも付いているのが人気の理由だろう。
年初に開催された家電見本市の2014インターナショナルCESで、東芝がクロームブックを発表した。クロームブックは全体的に安価なので、1台当たりの利益は低そうだし、今はまだウィンドウズパソコン市場と販売台数ベースで2桁違うが、参入メーカーが増えればまさかの大逆転があるかもしれない。