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業界人の《ことば》から 第73回

Life Space UX、テーブルPC、そしてレンズだけのカメラ:

安全な商品ばかりだと私自身も盛り上がらない──ソニー平井社長

2014年01月15日 09時00分更新

文● 大河原克行

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失敗作とも言われるベータマックスを大写しに

 実は、平井社長は、基調講演のなかで、驚くべき演出をした。

 それは、ソニーにとって、「失敗」と呼ばれる製品を、スクリーンに大写しにして、それについてあえて言及したのだ。その最大の事例として取り上げたのが、ベータマックスであった。

 平井社長は、「笑いをとるという狙いもあったが」としながらも、「過去の商品のなかで、なかなかうまくいかなかったものをあえて出したのは、それがあったからこそ、成功する製品があるということを訴えたかったため。失敗した製品を、ある意味誇らしげにみせたのは、失敗もあるが、だからこそ成功を生み出せるということを示すためだった」とする。

 そして、「安全な製品を出していればいいというのはソニーではない。リスクをとる文化をソニーのなかに根づかせないと、安全な製品しか出てこなくなる」とする。

 インタビューで、リスクを取った製品の具体例としてあげたのが、デジタルカメラのDSC-RX1。フルサイズのコンパクトデジカメという発想に対して、「誰がこんなことをやるのかと思った製品。だが、これがヒットした。RX1が成功したからこそ、今度は、Eeマウントで展開し、α7やα7Rが誕生した。レンズスタイルカメラも同様にリスクをとった挑戦である」とする。

 そして、平井社長は繰り返すように、「リスクを取ることが良いとされる風土が必要。むしろ、リスクを取ることが評価されなくてはならない」と語る。

 「安全な商品ばかりだと、私自身も盛り上がらない」と、平井社長は冗談混じりに語るが、リスクを取った製品づくりが、ソニーが元来持っている文化だともいえよう。

 2014 International CESの基調講演を通じて、失敗を恐れないソニーに取り組んでいることを内外に示したといえる。その姿勢に則って、どんなリスクを恐れない製品が登場するのかが楽しみである。

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