回答編
イーサネットはデータ通信規格の一つね。主に物理層とデータリンク層の動作をつかさどる。
物理層はケーブル種別や電気信号の話ですよね。データリンク層ってのは?
物理アドレスを使った通信手順のことよ。まぁ要はMACアドレスの話ね。上位のIPが論理的な通信に専念できるよう、物理側の処理を一手に引き受ける。
縁の下の力持ち的役割ですか。
そういうこと、まぁ同じ位置づけの技術は他にもあるけど、その中でイーサネットが普及したのはとにかくシンプルさを追求したからね。特に通信制御サーバみたいなものを準備せず、端末は送りたいようにデータを送る。競合したらその時考えるってファジーさが強力な互換性と汎用性を生み出したの。
互換性と汎用性?
たとえば1980年代の10Base-T(10Mbps)と現在の1000Base-T(1Gbps)って今でも普通に接続できるのね。30年前の資産が継続して使用できるってすごいことなのよ。あと無線LAN。ケーブルとか使わないから別物に見えるけどあれも元々はイーサネットのワイヤレス化を目的に作られたものだからね(*4)。広域専用線(FR/ATM)の代替にも使われてるし。
なんでもありですね。
シンプルな設計にしたおかげで色々なシチュエーション・ニーズに対応できたのよ。逆に諸々ガチガチに作り込んだライバル技術が競争力をなくしていった感じ。
さっきの話じゃないですけど……真面目一辺倒じゃだめなんですね。少々無茶でも大きなコンセプトや夢に向かい突き進む、そうすれば技術の進歩もあとからついてくるって感じで。
大事なのはロマンなのよ。
エンジニアリングはロマン!
そんなロマンがいっぱいに詰まった小説、『なれる!SE』は絶賛シリーズ継続中! 最新11巻(*3)が先月発売されました。みんなよろしくね!
最後の最後に宣伝とか!?
ばいばーい。
ひどい〆方なんですけど! ……しょうがないなぁもう、一年間どうもありがとうございました-! またどこかでお会いしましょう! それでは!
(幕)
(*3) http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866290-1/
(*4) 1990年、標準化組織であるIEEE802委員会において、イーサネットのワイヤレス化を目的とし802.11WG(ワーキンググループ)が設立
【解説】
イーサネット:
データ通信規格の一つ。主に物理層とデータリンク層の内容を定義している。汎用性が高く低コストなため、有線・無線・LAN・WANを問わず幅広く使われている。
訂正とお詫び:掲載時、無線LANの解説に誤りがありました。ご指摘いただきましてありがとうございます。(2014年2月5日)
この連載の記事
-
第43回
トピックス
業界人は軍事用語好き? やっぱり中二病なんですかね、なIT用語 -
第42回
トピックス
サッカー漫画で何を思い浮かべるかで世代が分かるIT用語 -
第41回
トピックス
いくぜっ、バーストモード! 動作クロック30倍! なIT用語 -
第40回
トピックス
前世の記憶は信じなくても、過去のミスは忘れない室見さん、なIT用語 -
第39回
トピックス
もう一人の自分を解き放て! 対比で分かる中二病的IT用語 -
第38回
トピックス
生命を刈り取る「不死の軍団」みたいなIT用語 -
第37回
トピックス
MK2、透明で発展系のMK2……なIT用語 -
第36回
トピックス
お金がかかるをキーワードにいろいろな話題が広がったIT用語 -
第35回
トピックス
理化学とミリタリーへの憧れが中二病につながるかもしれないIT用語 -
第34回
トピックス
超兵器とリンク、しているようで実はただ乗りしてるだけのようなIT用語 - この連載の一覧へ