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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第93回

ついに世界最大の中国キャリアと組んだApple 主戦場は中国に

2014年01月08日 17時00分更新

文● 末岡洋子

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2013年はAndroidが9割のシェアを占める中国
2014年はiOSに追い風か?

 ほんの2~3年前なら、キャリアにとってノドから手が出るぐらい欲しい存在だったであろうiPhoneだが、スマートフォン市場は変わっており、消費者も変わっている。スマホの焦点は成長国から途上国に動いており、台数にして3割以上を占める中国市場は重要な市場だ。

 その中国のスマホ市場を制しているのは、SamsungでIDCの2013年第2四半期のデータではシェア18.3%。以下、Lenovo、Coolpad、ZTE、Huaweiと中国企業が続く。OS別ではAndroidが約90%を占め、iOSは2012年からシェア値を下げて1ケタ台である。

 だがIDCでは2013年が中国でのAndroidのピークと見ており、iPhoneの価格が下がるとともに、China Mobileとの協業により2014年はiOSのシェアは倍増するとの予測を披露している。中国のスマホ市場は2013年に3億600万台に到達、2014年には4億5000万台に達すると見ているが、このうちの1億2000万台は4Gに対応し、3200万台がChina MobileのTD-LTEに対応する予想だという。

 だが市場が大きい分、競争も激しい。宿敵のSamsungですら、中国ではLenovoやHuaweiなどの地元ベンダーの勢いに手をこまねいている状態だ(IDCの調査では、Samsungの2013年Q2のシェアはQ1から1%減少、LenovoとCoolpadは拡大している)。これに、2014年は倍増を狙うXiaomiなども争いに加わる。さらには、フィンランドと中国を狙うJolla、それにUbuntuも中国を狙うといわれており、新興OSも目指す市場なのだ。

 AppleとChina Mobileとの提携により、中国は今年、名実ともにスマホ競争の主戦場となりそうだ。Appleの今後のミッドレンジ戦略がはっきりしない中、戦いがどう推移するのかは未知数だ。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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