32GBのストレージを標準搭載
だけどmicroSDカードスロットは無し
Galaxy Note 3(1080×1920ドット)から移行した筆者が最初に気になったのは、フルHDではない1280×720ピクセルの解像度だが、実際に筆者がスマホを使用する目的環境ではそれほど大きな不満を感じるところはなかった。ディスプレーの解像度より、結果的に筆者的に戸惑ったのはGalaxy Note 3には標準装備だった外部記憶装置であるmicroSDスロットが無いことだった。eMMCストレージが大きな32GB標準とはいえ、2ドライブだった従来の環境からは大きな変化だ。
本来ならG Flexの充電・データ通信兼用のmicroUSBポートにmicroUSBポートを持つ外部ストレージを接続したり、パソコンとケーブル接続して、従来のmicroSDのカードに入っていたデータを移行しなければならない。これらはけっこう面倒な作業だ。
幸いにも、G Flexには設定の“共有と接続”メニューの中に“ワイヤレスストレージ”という便利な機能が用意されていた。この機能を利用するば、G Flex本体が“Wi-Fiモバイルストレージ”として機能し、自宅のLAN環境下にあるパソコンから32GBの外部ドライブとして認識、操作することができる。この機能により、面倒なケーブル接続をすることなく、PCの画面を見ながら、さまざまなデータをG Flexとやり取りすることができた。
SIMフリーのG Flexを約2週間ほど使ってみて一番気になったのは国内のLTEとの接続性だ。筆者のG Flexは、起動時にLTE圏内にいれば、確実にLTE回線を掴む。しかし、何らかの理由でLTE回線が見つからない状況になれば、お約束通り、より低速のW-CDMAの3G回線を掴む。ここまでは極めて順調だ。しかし、その後、LTE回線がサポートされている地域に移動しても一旦3G回線を掴んでいる状態の時は、自動的に再度LTE回線に接続することはほとんどなかった。
強制的にLTE回線への再接続を行なうためには、設定メニューの中の「有線ネットワークモード」の項目で、通常「GSM/WCDMA/LTE自動」となっている状況を、一旦、「GSM/WCDMA自動」に切り替え、数秒後、再度元に戻すことによって、再度周辺のLTE回線を探し、見つかればLTE回線に自動接続する。
3G回線とLTE回線では、実際にはそれほど大きな差を感じない不幸な筆者ではあるが、画面最上段に“H”と表示されるか“4G”と表示されるかは気分は大きく違うので、時々は切り替えて遊んでいるのが実情だ。簡単なウィジェットとして作ってしまうことも可能かもしれない。実際には、G Flexの正式な国内のキャリアモデルが発売される時には、その辺りの接続性が検証、最適化された日本専用モデルが発売されると思われる。
G Flexの特徴は、見ての通りの曲面ディスプレーによる“道具と人間との接点”であるユーザーインターフェースの変革が大きなウリだ。柔らかく湾曲した形状は、ソフトで持ちやすく、人間の耳と口にあてがい会話するのにもっとも適した伝統的電話スタイルだ。実際にジャケットのポケットやジーンズのポケットに入れても、入れる時の向きさえ間違わなければ極めて快適な馴染みやすさだ。ムービーやミュージック・クリップ等を見ると小さなiMAX映画館の雰囲気も楽しめる。
しかし、筆者の2週間ほどの経験から言えば、何よりG Flexの素晴らしいところは、その“バッテリーマネジメント能力”だろう。以前の、GALAXY Note 3(バッテリー容量:3200mAh)を使っていた頃は、間違いなく毎日のように充電を余儀なくされ、1日1回の充電はほぼ日課となっていた。
しかしG Flex(バッテリー容量は3500mAh)に移行してからは、従来通りの使い方をしていても、楽々2日間はまったく充電することなく継続して使用できている。この原稿を書き始める今日の午前中のバッテリー状態は、既に74時間33分の連続動作をしていることが分かる。これは筆者が過去使用してきた約20台のスマホの中でも驚異的な数字であると言える。
このパフォーマンスが、今後、国内キャリアから「ワンセグ機能」や「おサイフケータイ機能」などを搭載し、日本国内の回線に最適化されたモデルが発売になった時点でも同じかどうかは定かではない。G Flexはまだ国内未発売商品であり、国内市場には専用ケースなどのオプション製品もほとんど見当たらない。最近、筆者は、6インチだけど、少し曲がってるほんの少し小さいG FlexをTrack Point付きのThinkPad Bluetoothキーボードと一緒に持ち出して、小さなパソコンとしても活用し始めた。
G Flexは、“スマートフォンとはこういうモノである”という過去の既成概念に囚われることなく、実際に手にとって触って、その価値を自ら判断すべきアイテムだ。携帯性と操作性の良さ、バッテリーの持ち、いずれをとっても筆者の過去の20台以上のスマホと比較しても劣るところは、画面の解像度以外見当たらない。国内での発売が今もっとも待たれるスマホの1つだろう。
著者および編集部は、技術基準適合証明(技適)を受けていない通信機器の利用を勧めるものではありません。通信機器は各国の法律に基づいて利用してください。各国の法律に反して利用しても、著者および編集部は一切責任を負いません。G Flexは、現時点では海外からの直輸入品であるため日本の国内での使用の可否は不明であり、著者は購入を推奨するものではありません。
今回の衝動買い
アイテム:LG G Flex D958
価格:Expansysにて7万8624円で購入(1月5日時点:日本までの送料、関税を含まず)
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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