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海外の通販サイトが実践している ユニークなコンテンツページ作り 5つの工夫

2013年12月31日 11時03分更新

記事提供:SEMリサーチ

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Googleが2011年にパンダアップデートを導入し、『来訪者に役立つ、高品質で優れたコンテンツを上位に表示出来るようにする』ことを目指した検索アルゴリズムの刷新を行いました。この方針は現在も、今後も変わることはないでしょう。

本来あるべき理想の形に検索エンジンは向かっているに過ぎないとはいえ、物品販売を営む通販サイトも対応に迫られることになりました。単純にメーカーや卸からもらった商品説明文をコピーしただけでは他の通販サイトとほぼ同一コンテンツになってしまい独自色が皆無です。商品名と型番、写真、価格だけが掲載されたページも問題外です。しかし、独自性のあるコンテンツを作るといっても商品点数が少ないならまだしも、数百、数千単位の商品それぞれのオリジナルで価値のあるコンテンツを作成していくことは決して容易ではありません。

こうした悩みは日本の通販事業を営む会社のSEO担当者からもよく相談されますが、海外でも事情は同じです。海外の通販事業者も、あの手この手の工夫をして、独自性の高いコンテンツを継続的に発信していく仕組みを取り入れています。

では、どのようなことを実践しているのでしょうか。

cf.
Google、高品質で優れたコンテンツを検索上位に - パンダアップデートを実施:文章としては豊富であるが中身が薄っぺらな役立たずなコンテンツが検索上位に表示されないようにすると共に、優れて高品質なコンテンツを上位表示できるようにすることを目的とした検索アルゴリズムの刷新。2011年2月より。


1. 人気・話題の商品に集中してコンテンツを作成する

まず第1に、売上や粗利などの観点も考慮しつつ、人気や話題の商品を優先して消費者の購買意思決定にかかわるコンテンツを作成・発信していくという方法です。

最近の日本を例にとると、例えば通販サイト内に「8インチWindowsタブレットの比較表」を設けているところが少なくありません。また、艦これ(※ DMMのオンラインゲーム・艦隊これくしょん)がプレーできるかとう観点で特設サイトを設けている通販サイトもあります。また、「艦これ」「8インチWindowsタブレット」「ヤマハのルーター」をテーマに、外出先でも艦これを遊ぶ様々な手段を紹介しつつ、それぞれの商品詳細ページにリンクしている事例もありました。

検索キーワードデータやTwitter、Google+での話題性、テレビ番組での露出度などの情報を組み合わせると、いま、関心をもたれている商品はどういったものか簡単に判断できます。また、こうした話題性の高い商品についてのユニークな記事であれば、ソーシャルでも言及・共有されやすいため、検索を通じた発見性(見つけやすさ、Findability)も高められます。


2. メーカー提供情報に「一工夫」して価値あるものに変える

各メーカーから商品毎に提供されるスペック表をそのまま掲載するのでは、あまり意味がありません。ユーザーが比較・検討対象とする可能性の高いライバル機のスペック表と併記して「比較表」を作成すれば、それは購入検討者にとって価値のある情報となります。

あるいは、メーカーがスペック表に掲載していない詳細データを載せることもまた、価値ある情報になります。例えば3G/LTE対応のスマートフォンやタブレット端末のスペック表を見ると、対応するLTE周波数帯(バンド)が記載されていないもの、利用可能なSIMサイズなどの情報が記載されていないものが意外とあります。こうした場合、独自に対応周波数帯を調べてスペック表に公開しておくだけでも、付加価値をつけることもできますし、実際、TwitterやGoogle+での共有や反響も高まっている事例があります。つまり、海外SIMフリーなスマートフォンを求めている人は、購入前に自国で利用可能なモデルをしっかりと確認したいというニーズがありますから、こうしたメーカー非公開でも独自に調べたちょっとした情報を加えるだけで、価値が出るのです。

どの通販サイトも、メーカーから提供されたスペック表や商品概要をそのままコピーして掲載してしまう傾向があるのですが、同じくコピーしただけの他の通販サイトとコンテンツの差別化が出来ません。しかし、それをベースにちょっとした工夫 -- そのユーザーが検討する時に実は欲しい"ちょっとした情報" -- を加えるだけでも独自色を出すことができます。


3. ジャンルに精通したライターに依頼する

社内でコンテンツ企画から作成まで行えれば理想ですが、十分なリソースを持たない通販サイトも少なくありません。2013年11月にラスベガスで開催されたSMX Social Media Marketing 2013 に参加した時のあるセッションでも、この「コンテンツは誰が作れば良いのか?」という課題が話題になったのですが、話を聞いていると(そして私が知っている取り組み事例もあわせると)そのジャンルに精通したブロガーやジャーナリスト、フリーのライターに依頼しているケースが多いとのことでした。

実際には、社内では本コラムの最初に紹介したような「人気・話題商品は自社で企画・作成する」、それ以外で集客をしたい、検索の発見性を維持したいような継続的な売上が見込める商品は外部のリソースを活用して継続的に情報を発信していくという方法もあります。

なお、クラウドソーシングは品質管理ができないなら、あまりおすすめは出来ません。内容の薄っぺらなコンテンツを継続的に作っても、それはGoogleが全く評価したくないゴミを溜め込むようなものです。コンテンツを作ること自体が目的化してしまいがちなスキームを導入する際は、慎重に運用方法を検討しなければなりません。


4. レビュー(クチコミ)投稿・閲覧機能を提供する

レビュー(クチコミ)は通販サイトのユニークなコンテンツの獲得手法として定番中の定番です。多数のユーザーが投稿した、商品やサービスに関する意見や感想は、それ自体が有益なコンテンツだからです。日本の「価格.com」や「食べログ」を想像頂ければわかる通り、十分に参考になるコンテンツですよね。

また、様々なユーザーが継続的に様々な意見や感想を投稿してくれれば、それはまた「継続的なオリジナリティのあるコンテンツ」という側面もありますので、SEOによる検索の発見性を高める手法として効率的かつ効果的です。

しかし、レビュー投稿機能を設ければ自然にユーザーが投稿してくれるわけではありません。従って、楽天一番の多くのショップに見られるような「レビューを書いてくれたら送料無料」などのようにインセンティブを与えるのが一般的です。Googleもレビュー投稿を促すインセンティブを与えること自体は、ガイドライン違反ではないと明言しています。

cf.
米Google「ポジティブなレビューを促す施策・インセンティブはNG」:★4つ以上を投稿してくれたら送料無料などのように評価そのものを強制する動機付けはNGだが、レビュー投稿を促すこと自体は問題ない

※ レビューは、米国ではローカル検索(Local SEO)市場が大きいこと、や3年後のGoogle検索とGoogle+、Google+ページの統合・融合を見据えた戦略的な背景など、様々な理由により多くの通販サイトが積極的に取り入れているのですが、それは別記事で紹介します

また、商材によってはテキストによるレビューではなく、動画や写真による投稿を受け付けている場合もあります。例えば Amazon.com は動画や写真も受け入れていますね。こうした、様々な種類のコンテンツを集めることもユニークなコンテンツ作りになりますし、また、そうした異なるコンテンツを集められればウェブ検索だけでなく、画像検索や動画検索など別の検索チャネルからの集客機会も生み出すことができます。


5. 簡単に回答できるような質問コーナー

レビューを投稿すること自体は敷居が高いことも事実です。そこで、レビューほどではないけれど、簡単な一言アンケートを設けるなど「カジュアルなフィードバック」を求める通販サイトも出てきました。例えば、「この商品買った理由を1行で教えて」といった質問です。一言ならすぐに回答できますし、仮に50人が答えてくれれば50行になりますから、ユニークなコンテンツにもなります。

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実はもっと数多くの工夫事例があるのですが、それは来年の書籍の中で紹介したいと思います。多くの通販サイトの担当者さんは「コンテンツを作るお金がない」「何のコンテンツを作ればいいかわからな」「コンテンツを作る時間がない」と3つの『できない理由』を挙げるのですが、ちょっと視点を変えれば問題は解決できるのですよ。

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