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Mac Pro(Mid 2012)カスタマイズ記パート2! CPU換装に挑戦

2014年01月04日 14時00分更新

文● 藤田 忠

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気になるベンチマークも
忘れずに計測

 最後はCPU換装で、最も気になるCPU性能のアップ度。新型Mac Proの12コアモデルと比較できればベストなのだが、さすがに新型Mac Proを用意するのは困難だった。申し訳ないが、新型Mac Proとの比較は、すでにゲットした人のレビューなどを参考にしてほしい。

 ベンチマークには、定番のMAXON「CINEBENCH R15」とPrimate Labsの「Geekbench 3」を使用。ともにCPU性能などを独自のスコアーで表し、スコアー値が高いほど、高性能になっている。

 なお、「Geekbench 3」は同社ウェブサイトの「Results Browser」に、新型Mac Proを含めて、さまざまなOS(Windows、Linux、Android、iOS)、環境のスコアーが登録されているので、是非とも参照してもらいたい。

「Geekbench Browser」では、新型Mac Proや今回換装した「Xeon X5670」搭載モデルなど、さまざまな環境とパフォーマンスを比べられるようになっている

 また、現行CPUに比べて、どうしても消費電力が高くなる前世代のCPUたち。ワットチェッカーを使って、OS X起動後10分経過したアイドル状態と24スレッドに100%の負荷がかかるCINEBENCH R15実行中の最大消費電力を測定している。

 換装前の「Xeon E5645」(TDP80W)と換装後の「Xeon X5670」(TDP95W)のTDP15W差が、どのくらい影響するか見ていこう。

CINEBENCH R15 (単位:cb) better→

Geekbench 3 (単位:Score) better→

 動作クロック差は500MHzだが、24スレッドの効果は大きく、「CINEBENCH R15」、「Geekbench 3」ともマルチコアテストのスコアーは大幅にアップしている。

 ただ、「Geekbench Browser」に登録されている新型Mac Proの3.5GHz(最大3.9GHz)動作、6コア/12スレッドの「Xeon E5-1650 v2」モデルと比べて、“64-bit Multi-Core”でスコアー差は7000程度上回っているだけに。

 さらに“32-bit Single Core”では、600スコアー近く低くなっている。というかCPUのシングルコア性能は、新型Mac Proを含めて、「iMac 27インチ(Late 2013)」が、BTO(CTO)で選択できる最上位CPUの「Core i7-4771」や「MacBook Pro 15インチ Retina(Late 2013)の「Core i7-4960HQ」などに負けている……。インテル最新のHaswell世代CPUを搭載するだけはある結果だが、ちょっと悲しいかも。

 なお、新型Mac Proが採用している“Ivy Bridge-EP”世代のLGA 2011版Xeonは、最新ラインナップではあるのだが、CPUコアのアーキテクチャーは、iMacやMacBook Pro、MacBook Airの最新モデルが採用するHaswell世代の1世代前になっている。

かなりアップした消費電力……

 最後は消費電力だが、TDP15Wの差は意外と大きく、アイドル時で最大45W、「CINEBENCH R15」実行時で78Wアップする結果に。

 “Mac Pro改”で、ビデオカードを「GeForce GTX 680」にカスタマイズしているので、デフォルト搭載のビデオカードならもう少し消費電力は下がるだろうが、400W越え目前の高消費電力マシンにまっている。

消費電力 (単位:W) ←better

 また、消費電力がアップしたことで、当然CPUの発熱量も増加。換装前と比べてウェブや動画再生といったCPU負荷の低い作業中でも、ファンの回転音が耳に付くようになってしまった。

 Mac Proは元々うるさいほうなので、慣れれば気にならないレベルだと思うが、音よりもフロントからの吸気が増えたことでのホコリ侵入が最大の懸念材料かも。エアダスターを使えば簡単だが、こまめな掃除は必須になりそうだ……。

新型と旧型カスタマイズ
どっちを選ぶ!?

 冷静になって考えては絶対ダメなのだが、前回のカスタマイズと今回のCPU換装を足すと、すでに約25万円を投資。2013年7月時点の本体購入価格の約28万円をあわせると、“Mac Pro改二”は53万円に。

 メモリー代などを考慮すれば、ギリギリ新型Mac Proの6コア/12スレッドモデルよりは良いとは思うが、微妙なところかも……。

 “Mac Pro改二”はテキスト入力、RAW現像、そしてBlu-ray Discなどの動画視聴やハイレゾ音源再生に、「艦隊これくしょん-艦これ-」と、まったくスペックを活かしていない用途に使っているのだが、実に充実したカスタマイズを楽しめたので大満足中だ。

 筆者と違って高負荷作業を日々行なうMac Proユーザーは、旧型Mac Proの高い拡張性を最大限に活用したカスタマイズにチャレンジしてみるのもありだろう。

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