コンデジも高級・高画質志向に
高級志向はデジタル一眼レフにとどまらない。前述したとおり、コンパクトデジタルカメラの普及価格機はスマートフォンと直接競合するため、かなり売上が落ち込んでいる。
このためメーカー各社は、F値の小さい明るくて性能のいいレンズ、これまでより大きいサイズのセンサー、質感の高いボディーやダイヤルを搭載する高級・高画質コンパクトデジタルカメラを相次いでリリースした。
ソニーは「DSC-RX100 II」や「DSC-RX1R」(関連記事)、「DSC-RX10」(関連記事)など、高級コンデジシリーズを「RX」型番で相次いでリリース。富士フイルムも、同社のミラーレス一眼に搭載されている2/3インチ「X-Trans CMOS IIセンサー」を採用する「XQ1」を発売した(関連記事)。
象徴的だったのは、カシオ計算機が発売した最上位機種「EX-10」(関連記事)。同社はこれまで画像処理技術の進化で画質を向上する、というのが大きな方向性で、画像処理エンジンは改良してもレンズや撮像素子を変えるということはあまりしてこなかった。
しかし、EX-10においてはF1.8~F2.5の明るいレンズと1/1.7型の大きめのセンサーを採用。これにより、本体が大きく、重くなっている一方で高級感が増している。
スマホと正面切って戦うデジカメたち
一方で、スマホのカメラ機能と正面切って戦うぞ! というデジカメもいくつか登場した。キヤノンの「PowerShot N」(関連記事)は、上下の概念がないマルチアングルなデジカメとして春に発売され、初回の予約分がその日のうちになくなるほど人気を博した。
また、ソニーもスマートフォンのディスプレーをライブビューモニターとして使用する「QX10」「QX100」を発売(関連記事)。モニターを搭載しない“レンズだけデジカメ”として話題を集めた。
2014年、スマホに勝てる画期的なデジカメの登場を期待
……そして、筆者の個人的2013年デジカメ遍歴
2014年は、レンズ交換式カメラはフルサイズ機がさらに増えてくるのではないだろうか。特にデジタル一眼レフのミドルクラス機はAPS-Cからフルサイズに置き換わっていくような気がする。
コンパクトデジタルカメラは高級機路線が一層進むと思われるが、普及価格機のようにシーズンでポンポン出すわけにはいかない。普及価格機の代わりとなり、かつスマホと一緒に活用できる、新機軸のデジカメの模索がはじまるのではないだろうか。そうなってくれると面白いのだが……。
ちなみに、個人的に2013年のデジカメを振り返ると、今年前半はコンパクトさに惹かれてNikon 1を買いかけた。なかなか画質がいいという評判もあるが、何よりもう中年だし重いカメラを持ち歩いて腰に負担をかけたくない、という思いが先行した。
しかし、APS-Cセンサーを搭載したEOS Kiss 7の小ささに魅力を感じつつ、ソニーのNEXシリーズや富士フイルムのXシリーズといった、APS-Cセンサーを搭載したミラーレスもいいんじゃないかと迷い続け、結果すべてスルー。
そして今年後半は、カメラとしての性能の割に圧倒的な小ささであるソニーのQX10を買おう、といったん決意するが、その後にリリースされたフルサイズセンサー搭載機、α7とNikon Dfのインパクトに衝撃を受け、どっちがいいか熟考を重ねた結果、α7を購入。
Dfの操作感には憧れるものがあったが、フルサイズ機ながら値段が安いのと(比較的軽いので)腰への負担を軽減できるという魅力には勝てなかった。
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