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マイクロソフト・トゥディ 第77回

日本マイクロソフト協力! 日本MS版流行語大賞は?

2013年12月26日 12時00分更新

文● 大河原克行

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EOS(End of Support)

 業界内でもEOSという言葉は一般化したが、社会全般ではあまり馴染みがない言葉だろう。EOSは、End of Supportの略称。Windows XPのサポート期限が、2014年4月に終了することを指す。すでに法人向けPCは買い替え需要が顕在化しており、一部メーカーでは前年比3割増という増産体制を敷いている例もある。12月30日になると、EOSまであと100日。今年末時点で、法人では20.2%(723万台)一般では14%(597万台)のWindows XPがあるという。果たして、あと約100日で、どれだけのWindows XPを移行させることができるのか。

EOSは、End of Supportの略称で、Windows XPのサポート期限の例でいえば、2014年4月に終了することを指す

雪辱

 マイクロソフト社内では、毎年全世界の子会社対象にした「No.1 Subsidiary」(世界ナンバーワン子会社)を表彰しているが、過去2年連続で首位だった日本が、3連覇を逃したのが今年7月。樋口社長は社員宛てのメールの中で、2014年度のキーワードに「雪辱」を追加することを表明し、ナンバーワン奪回を宣言した。しかも「ダントツ」での首位奪還を命題に掲げてみせる。同社上期が終了した時点では「ぶっちぎり」と樋口社長は、首位奪還に強い自信をみせる。

日本マイクロソフトは、2012年の社員総会(MGX)において、2年連続でナンバーワン子会社のトロフィーを受け取った。ナンバーワン奪回はなるだろうか

日本リージョン

 これまで日本マイクロソフト社内では使われてこなかった言葉が「リージョン」。これが頻繁に聞かれるようになった。スティーブ・バルマーCEOによって突然発表された日本へのデータセンター開設。これを日本リージョンと呼ぶ。そして、日本リージョンは、首都圏と関西圏の2つのサブリージョンで構成。Windows Azureのサービスに関して、容量の拡大、柔軟性の提供とともに、日本におけるデータ管理が可能になる。樋口社長は2014年の早い時期に開設するとコメント。すでにカウントダウンの段階にあるといえよう。

スティーブ・バルマーCEOによって、日本へのデータセンター開設が突然発表された

「“0.1”変わっただけというイメージかもしれないが、
セキュリティ面も含め機能面は大きく向上している」

 ローンチという言葉を一切使わずに投入されたWindows 8.1は、これまでのOSの進化とは異なるものと位置づけられている。スティーブ・バルマーCEOは、それを「ラピッドリリース」という言葉で表現し、進化を示す言葉として「アップデート」を用いた。樋口社長は、「わずか0.1変わっただけというイメージかもしれないが、セキュリティ面も含め機能面は大きく向上している」とその進化ぶりを強調した。

樋口社長は、「わずか0.1変わっただけというイメージかもしれないが、セキュリティ面も含め機能面は大きく向上している」とその進化ぶりを強調した

ワークスタイルチェンジ

 2013年に入って、樋口社長が積極的に使い始めたのが、“ワークスタイルチェンジ”。ITを活用して仕事の仕方を変革させようという提案を積極化している。その中核サービスが「Office 365」であり、なかでもビジネス向けコラボレーションサービス「Lync」が重要な役割を果たす。インスタントメッセージ、ビデオ会議、Lync Meetingのほか、電話でのコミュニケーションが、どこにいても簡単に行なえるツールとして、多くの企業から注目を集めているのだ。

 日本マイクロソフト自身もLyncユーザーであり、テレワークや在宅勤務などを積極的に展開中で、同社のワークスタイルチェンジを下支えしている。樋口社長は、Lync(リンクする)を、ワークスタイルチェンジにおける新たなコミュニケーションのあり方を示す、標準的な言葉に定着させたいと目論んでいるようだ。

クラウドOSビジョン

 昨年来、少しずつ使われてきたものの、2013年後半になって前面に出てきた言葉が、“クラウドOS”。ここにきてクラウドOSビジョンという表現も登場し、今後の同社のクラウド戦略において重要な意味を持つことになる。クラウドOSビジョンの基盤となるITインフラストラクチャを構築するのが「Microsoft Windows Server 2012 R2」、およびシステム管理製品「Microsoft System Center 2012 R2」、そして「Windows Azure」。2015年7月には、「Windows Server 2003」のサポート期限が終了(EOS)することもあり、今後注目される製品となる。

クラウドOSビジョンの基盤となるITインフラストラクチャを構築するのが「Microsoft Windows Server 2012 R2」、およびシステム管理製品「Microsoft System Center 2012 R2」、そして「Windows Azure」

学校の一人一台タブレット

 2013年の日本マイクロソフトの取り組みで見逃せないのが、教育分野への展開。東京書籍とのデジタル教科書およびデジタル教材での協業を発表したほか、Windowsクラスルーム協議会を設立して、45社が参画。同協議会の会長は、樋口社長自らが務めている。

日本マイクロソフトの樋口泰行社長と、東京書籍の川畑慈範社長

 また、立命館小学校ではSurface RTを導入して教育現場でのIT活用を促進。佐賀県教育委員会では、佐賀県立高校において、一人一台Windowsデバイスの導入を図った。“学校の一人一台のPC”ではなく、“学校の一人一台のタブレット”導入を目指す。

番外編、「エイトエイトオー!」

 2012年10月のWindows 8の発売時に、ローンチイベントに参加したデバイスメーカー13社とともに、こぶしを突き上げながら、樋口社長がかけ声をかけたのが「エイトエイトオー!」。Windows 8(エイト)にひっかけたかけ声だった。

 2013年は、この派生バージョンが相次いで登場したのも特筆できる。2月の新しいOfficeの発売時には「エイエイ Office!」、同じく2月の新たなOffice 365の発表では、「1、2、365!」、そして、9月のSurfaceの法人向け展開では、かけ声こそなかったが、登壇したソリューションパートナーとともに、Surfaceの画面に「Surface」の文字を一文字ずつ映して見せた。

9月のSurfaceの法人向け展開では、ソリューションパートナーとともに、Surfaceの画面に「Surface」の文字を一文字ずつ映して見せた

 では、10月のWindows 8.1のときのかけ声はなんだったのか? 実は、Windows 8.1はローンチではなく、アップデート。そのため、かけ声は見送りになった。来年はどんなかけ声が登場するだろうか。

 こうしてみると、2013年もさまざまな出来事と発言があった日本マイクロソフト。はたして、2014年はどんな年になるのだろうか。新たな製品、サービス、技術の登場とともに、それに関わる新たな言葉や発言にも注目してみたい。


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